週末は真鯛を狙って釣りに。ホームグラウンドの東京湾ではなく太平洋側に行ってきたのですが、かなり海が荒れていました。それまでは「酔い止めいらずの俺最強!」くらいに思っていたのですが序盤危なかったです。次回はアネロン飲もうと思います。
海が荒れていると事前に準備してきた知識がほとんど役に立ちません。風にうねり、水温、気温、潮の満ち引き…自然を相手にする釣りは変数が多すぎて未だに何が正しいのかわかりません。その場その場の試行錯誤や出来る人の真似、指導を仰ぐなどしながら釣果に繋げます。ベテランの方々はそのような状態を何度も経験しているから上手なわけですね。
仕事も同じで、与えられた目標をこなしているだけで評価される安定した環境よりも変化の多い環境に身を置いたほうが成長ができる気がします。特に若いうちは。
僕もそういう体験をしたことがあります。人材業界でのキャリアは2005年スタート。WEB求人広告の新規営業からでした。当時所属していた会社でも立ち上げ段階の事業でしたので、とにかく変化が多い環境で仕事をしていました。
毎日上司の指示は変わりますし、営業手法さえ決まっていない。KPIなんて概念すら無い。営業資料も各自の手作りで属人的だったり、パンフも印刷代がかかるからとモノクロコピーで対応。人の入れ替わりが激しいので入社1年も経過していないのに新人教育を任されたりします。予算も実力もないけど自分たちでなんとかしなくてはいけないわけです。
やってる当時は辛くて仕方なかったのですが、これらの経験は間違いなく今の自分の血肉になっていると思います。
当時の経験の全てが今も使える財産なわけではありません。むしろ古くなっている物の方が多い。でも、定量的な実績ではない経験や洞察力や思考は高くなったと思います。
今でこそ衰退あるいは次世代サービスに変わりつつあるWEB求人媒体ですが、当時はサービス全体の市場認知度はまだまだ高くない状態でした。でも様々な企業が参入していた。いわゆる市場全体が成長している時期だったわけです。
「いかに市場を取っていくか?」という戦略的な考え方やお客様の課題発見能力や論理的説明能力などが日々の行動から磨かれていくわけです。
一方で逆のケースもあります。
仕事柄、人様の職務経歴書を良く読むのですが、一定の市場シェアが取れている企業で働いている方の場合、勝てる営業手法や仕組みを会社が設計しているためそんなに低い成績になることはありません。
まじめにやれば目標対比120%、前年対比140%!なんて素晴らしい成績になるわけです。当然職務経歴書の内容が素晴らしくなりますし、書類は通りますよね。
でもこういう方が以外にも面接でボロボロになったりします。職務経歴書弁慶状態です。
それは会社が作った仕組みで忠実に成績を出しただけで、自ら考え工夫した部分が少なく動機も思考も期待値に届かないわけです。「与えられた仕事をこなす能力」は長けていてもそれは実力ではないという判定されてしまったわけです。
もちろん与えられた仕事を確実にこなす力も評価対象になる場合もありますのでそのこと自体が悪いわけではありません。でも、これからの時代にはオペレーション能力が高いだけではちょっときついかもしれません。
海の潮目を見るように時代の潮目もしっかり見ていきたいですね。
カノープス株式会社 青山