天災がもたらすもの

在宅勤務も3週が過ぎます。果たして5/6で緊急事態宣言は解除されるのでしょうか?

 

期待していましたが、今の流れを見ていると難しいように思います。今後一定の感染拡大は抑えられるかもしれませんが、ワクチンができたわけではないですし、季節的影響で収まるという気配もありません。政府関係者さんや行政の方々は大変な思いをしていると思いますが、それでも海外にいる知人に聞くと日本の緊急事態宣言後の状況は見ていて不安を感じざるを得ないものだそうです。メディアでも言われていたことですが、知り合いから言われると受け止め方が変わりますね。

 

アフターコロナとかウィズコロナという言葉が早々に出ていましたが、そんな世界が現実味を帯びてきたのかもしれません、、、と暗い気持ちになりがちですが、今回のコロナウイルス起因で起きている変化は注目しています。多くの命を奪い、人々の健康を脅かしているウイルスを貢献者とは言いたくはないですが何かが変わっている感覚はすごくあります。

 

例えば学校での学び方。各家庭の通信環境やデバイス整備の問題はあると思いますが、今後IT化が飛躍的に向上するんだろうなと思います。うちの息子は高校から課題をWEBサービスを介して受け取りながら、配達された教科書を併用して勉強していますが、地域によってはオンラインでの授業が開始されているようです。今後学校には行くようになると思いますが、テクノロジーを使った反転授業など学び方は大きく変わるかもしれません。

 

仕事についてはどうでしょう?会社に行かなくてもできる仕事があること、人を介さずともできる業務があることはコロナ以前から証明されていたと思いますが、それが現実として一気に広がっています。メリットが多いのであれば今後もテレワーク、もしくはテレワークとリアルワークのハイブリッドみたいな働き方が推奨されるように思います。会社の人と顔合わせて、膝付き合わせてみたいなウェットな関係も少なくなって実力と生産性だけが浮き彫りになる分、仕事の評価の仕方なども変わるかもしれません。成果・納品物が唯一の証明となれば正社員とか派遣とかアルバイトとかそういう枠組みさえいらなくなるかもしれません。ほんとの実力主義です。

 

通勤も同じです。コロナ以前から通勤時間や満員電車の意味を議論する流れがありましたが、これも変わりそうな要素です。都心に高いオフィスを持つより、郊外に拠点をおいてテレワークをするとか、本体は小さいオフィスにして郊外にレンタルを使ったサテライトを置くとか自由な職場環境を整える会社も増えそうです。実際僕も郊外にある自宅近くでレンタルオフィスを探してみましたが、以前はガラ空きだったものが全て埋まっていました。今もコワーキングスペースやレンタルオフィスの中には一定額を払えばどこでも使えるものがありますのですぐに実現できそうです。

 

一方で人が介在しないといけない仕事も多くあります。サービス業や医療、行政、物流などなど。この辺りもIT、IOT化は進みそうです。自動配達なんてあったら便利ですし、自動運転、無人店舗、必要物を均等配布できるAIや遠隔診療など。もういくつかは実用化していますね。飲食業などもチケット化やクラウドファンディング的にファンがコミュニティを作って支えるとか、来店いただく以外の仕組みができるかもしれません。

 

生活面については日本だけでなく世界に目を向けると面白い流れもあります。一人10万支給などいろんな施策が出ています。これだけですと負の遺産を作るだけかもしれませんが、それがかえって疲弊しきっていた社会保障の枠組み自体を大きく変えるきっかけになるのかもしれません。難易度高いかもですが、スペインのようにベーシックインカムのような仕組みもできるかもしれません。

 

あと、会社という枠組みやオフィスで働くという時間が減ると同時に孤独や不安などに対応するサービスも増加するかもしれません。オンラインカウンセリングやオンラインコーチなんて今まさに流行り出していますし私の知人友人でもコーチングのトレーナーが数名いますが、かなり依頼がきているようです。僕のところにも転職相談というより人生相談に近いご依頼がありますので流れはきているのだろうなと。

 

短期間でいろんな変化がありましたよね。もっと増えるかもしれません。僕も地方都市や郊外の方の転職支援を電話やオンラインで完結した事例を何個かもっていましたので、人材紹介をオンラインで行うことは可能だと思っていましたが、まさかそのやり方が中心になるとは思いませんでした。

 

この間、業界の先輩が「阪神淡路大震災では携帯電話が流行って、東日本大震災ではソーシャルメディアが流行った。今回はテレワークかなー?」なんてことを言っていてあーなるほどなと思いました。

 

天災は困ったものです。今後僕が生きる20-30年くらいの間にもっともっと厳しい何かが起こるかもしれません。でもその度人間は知恵と工夫で乗り越えて新しいものを生み出すんだと思います。

 

皆さん頑張りましょうね。

 

カノープス株式会社 青山

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