面接で緊張することはないよ
ついつい、僕も言ってしまいますが、言われた側としては、「そうは言ってもさ」という気持ちだと思います。
- うまく答えなきゃ。
- 相手に嫌われたくない。
- 間違えたこと言ったらどうしよう。
- 痛いところ突かれたらどうしよう。
面接に恐怖心を持ってる人は多いと思います。
僕も明日面接を受ける身になったらどうでしょうね?多分緊張するんだろうなぁ。
面接が上手すぎて落選する人もいる
以前、とある社長さんに聞いたお話です。とても面接の上手い方がいたんだそうです。
仕事は営業。当然、営業の募集に応募して面接にいらしたようです。
もう非の打ち所が無い。声もアナウンサーみたいに良い。ルックスも良い。ジェスチャーも良い。でも何故か感じる違和感。
上手すぎる。
結局、採用するのを辞めたそうです。何故採用しなかったか?気になったので聞いてみました。
本人が本当にそのままの人物だったら、申し分ないんだけどね。スキルもいい。給与だって控えめ。ただ、退職理由も転職理由も志望理由もさ、完璧過ぎるんだよ。ドラマ見てるみたいでさ。
でも、採らなかったのは凄くいい加減に聞こえるかもだけど、勘というやつかなぁ。彼であれば、うち以外にも決まるはず。本気でうちのような小さい会社に来たいと思うまでにはもっと、腹割って話したいこと沢山あると思うんだよね。
んで、質問もしてくれるんだけどさ、これが原因かなぁ。
面接を支配し続けた応募者の違和感
社長さんは続けます。
あのさ、コールドリーディングって知ってるでしょ?貴方のことよく知ってますとか、よくわかりますとか、そういうの引き出すやつ。
俺もそういうのかじったことあるからさ、途中で気づいたんだよ。彼に感じたのはそういうとこ。質問が絶妙でさ。俺の悩んでるところとか、会社の課題とか、上手に突いて共感持ってくのよ。それが全体的にずっと続くの。
営業マンとしては頼もしいなぁと思ったんだけど、なんか違和感ってこれかなと。主導権握られてる感じでさ。
そんなこんなで、最後まで巧妙に本人の奥底にある本心を掴ませてもらえなかった。外面しかわからなかった。
で、今のチームに入れた時に何が起こるのかなって考えたんだ。
多分支配者になるのかなと。
リーダーシップは欲しいけど、うちが欲しいのはそういう人材じゃない。チームワーク大事だし、むしろチームワークしかないから、下手くそでも、素直で、周りと協調してくれそうな若い子のがいい。
最初に現場とそんな人を採用したいって擦り合わせしたの思い出したんだよね。なんというか、こんな例えするとうちの社員に悪いけど、羊の群れに狼入れる感じをイメージしちゃったんだ。羊飼いならいいんだけど、食い殺すイメージというか、、。
まぁ本当に勘だからと思ってたんだけど、感じたことは信じようかなと。んで、本人には申し訳なかったけど、電話でね、謝ったんだよ。メールするのもあれかなと思って。そしたら勘が当たったのわかったよ。
「あ、そっすか。わっかりましたー。ガチャ!」
ってガチャ切りされた(笑)。あれが本当の彼なんだろなと。びっくりしたけどホッとしたよ。
面接はうまく話す場ではない
うまく話す場ではないというと語弊があると思います。面接の時間は限られていますから、相手に伝わりやすいように、結論から話して根拠を続けるロジカルな話し方は必要です。
ただ、面接は聞かれたこと、相手が聞きたいことを答える場です。
わかりやすく、相手がどんな気持ちでそれを聞いているのかを推測して答えるのが面接です。緊張もしますし、準備したい気持ちはわかる。そして準備は必要ですが、あまりに過ぎたシナリオや戦略は面接官も、やり込められていると感じるかもしれません。
また、この社長さんのお話を聞いていて感じたのは、面接官は目の前の貴方の能力だけでなく、その先にいる仲間のことまで考えているということ。
自分が新たな仲間を迎え入れる面接官だったら、今の同僚やカルチャーにどんな人がフィットしているか、そんなことを考えると思います。
面接ってそういうもんなのかなと。
でも緊張しますよね。
ではでは。
カノープス株式会社 青山