バーテンダーからトップ営業になったA君

「営業トップとりました!やりました!」

先日、そんな連絡をいただきました。

彼と出会ったのは昨年の4月。エントリーフォームに入力してきたのは「まったく異なる仕事をするにはどうしたらいいでしょうか?」それだけでした。果たして会ってみた彼はなかなかのイケメン。

僕「仕事は何をしているんですか??」

A君「バーテンダーです。XXXXXホテルのバーテンダーをやってます。」

僕「あ、五つ星ホテルじゃないですか。すごいですね。今回はどうしたんですか?」

A君「はい。もう夜の世界からは足を洗って、昼間の仕事をしたいんです。でも何をしていいかわからなくて。」

僕「前からバーテンダーなの?」

A君「いえ、専門卒後に一回普通の会社の営業になったんですけど、すぐ辞めてしまって。学生時代からクラブのバーテンダーやってたりした経緯もあって、ご縁があって今のホテルに行き着いたんです。」

僕「なるほど。」

A君「あと僕、若気の至りというか、高校ちゃんと卒業していないんです。学歴も社歴もめちゃくちゃで、難しいと思うんですが‥」

そんなスタートでした。

高校中退、大検、専門卒、1社目を短期で退職、その後も転々としています。まだ20代ではありましたが、書類を通せるかどうかは少し不安がありました。ただ、可能性を感じる方でした。それは仕事へのプロ意識の強さ。ご来店されるお客様は日本人だけでなく、外国人も多かったようです。中には観光で日本にいらっしゃる方もいます。そんな一期一会の出会いを充実したものにしてあげたいと、東京中の観光や飲食スポットをオフの日は散策し、ご来店客にアドバイスするなど、ホスピタリティ精神も強い。混雑している時間も忙しいと愚痴を言わず、しっかり仕事をこなされてきたようです。

彼の言った印象深い言葉

「五つ星のプライドってあると思います。忙しいとかでお客様に不快な思いを持ち帰らせてはいけないんです。せっかく来た東京のホテルバーで過ごす時間は最高でなければいけない。五つ星の居酒屋では格好つかないですから。」

でも、現実は残酷で、彼は何社も選考を落選しました。でも、決して折れなかった。彼には10回近く面談をしましたが、勇気付けるつもりが、折れない心に起業間もなかった僕が励まされていたかもしれません。

どうして折れないのか?それには理由がありました。結婚を約束した女性がいたからでした。

「結婚考えている方がいるんです。今後家庭を持った時に今の仕事ではダメだと思ってます。不規則でイレギュラーな仕事が多いし、もっと早く給料も上げたいんです。」

営業職を中心に選考を受けていたA君。果たして、彼は3ヶ月後の7月にとある保険代理店に内定をもらいました。うまくいかない面接練習に、付き合ってくれたのは他でもない今の奥様だったそうです。

人事の評価は二分していました。

すぐ辞めてしまうのでは?
いや、骨がある。面白い。

僕もあまりにも変化のある転職でしたので、正直少し不安も持っていましたが、入社して2ヶ月後くらいに「お陰様で、結婚しました」と嬉しい報告がありました。いよいよ頑張ってほしいと強く願いました。

そしてまた三ヶ月。「外勤の営業早くデビューしたくて志願したんですけど、まだしばらく内勤営業だそうです。悔しいです。でも、次こそ上がりますよ!」まだまだ熱が冷めていません。ほっとしました。

その後、無事外勤の営業になれたA君。しばらくしてまた連絡をくれました。今度はもっと嬉しい連絡でした。「青山さん! 僕、営業で2位取れそうなんです。でも、まだまだです!頑張ります!」驚きました。

そして先月。人事さんと本人からほぼ同時に連絡がきました。

「営業トップとりました!やりました!」

まさか一年でここまで来るとは。。。

彼に、この一年間を振り返ってもらいました。

「努力って程の努力は恥ずかしながらしてないと思います。入社したての頃は、毎週ライバルの保険の○口さんに通ってました。わからないことばかりなので、プロから盗もうと思って。あとは兎に角、出来る先輩に話を聞いて、実践を続けました。その中でも1番生きてることは、「自分ならどうやって保険に入ろうと思う?」と言われたことです。入ってくださいと言って、入ってくれたらそんなに簡単なことはありません。まずは場を温めること。順序立てて話さないと、相手が考えてくれないことを学びました。外に出てからは、今までの経験が活きています。ホテルで働いていたので、身なりなどは勿論ですが、バーテンダーとしてのコミニュケーション力が思っていた以上に活きていると感じています。あとはもう気持ちだけです。常に1番になりたいと思っていますし、正直給料を早く上げたいと思ってやっています。そこが自分の中で1番のモチベーションになっています。あと奥さんがいること。これがなければ今どうなってたかはわからないです。」

最後まで謙虚、そしてバーテンダー時代の一期一会の出会いを保険の商談に変え、本当に努力の積み重ねをしてきたんだとおもいます。彼は採用した企業様も僕も良い意味で予想できないほどの結果を出しました。経歴や前職だけで先入観を持ってしまうことはいけないと教訓になりました。

もっともっと上を目指して欲しいです。A君、頑張ってください。いつも応援しています。貴方の活躍が何よりもの報酬です。

※このブログはご本人様の許可を得て記載されています。

カノープス株式会社 青山

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この記事を書いた人

青山 俊彦のアバター 青山 俊彦 カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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