「ゆとり」とか「さとり」って言葉があります。
僕もたまに使いますし、弊社のサポート領域もまさにそのあたりなんですが、正確には、小中学校の学習指導要領がゆとり教育になった1987年4月から2004年3月生まれの子達とのこと。だいぶ幅広いですね。
確かに若い方の中には、何度話しても自分ごとに矢印を向けていないというか、自分の頭で考えようとしてないなぁという方はいます。何度言ってもなんど説明してもです。
なんとなく「正解」を人から出して欲しいという感じです。
話しててモヤモヤしますし、「自分で考えなよ」と言いたくなる時もありますが、それでは僕の存在価値はありません。
そもそも自分がどうだ?というと40歳過ぎた今でさえ不安なことがあれば、他人に頼り、意見をもとめることがほとんどです。ちょっと違うのかもしれないけど、本質は一緒なのかなと。
みんな「失敗したくない」んだと思います。
- 土日は休めて
- 年間休日は125日くらいあって
- 有給もちゃんと取れて
- 残業は遅くとも1日1時間くらいで
- 家から30分くらいで
- 家賃補助とか家族手当もあって
- ボーナスと退職金がちゃんとあって
- 月給は少なくとも手取りで自分の年齢くらい手取りでもらえて
- 職場環境がよくて
- 若い同世代がいて
- 綺麗な女子社員がいて
- 仕事はそんなに難しくなくて
- 社会的な貢献度もそれなりにあって
- やりがいもあって
- 友達に社名いっても「あー」とか
- 仕事内容いうと「すごいね」って言ってもらえる
て感じの転職をしたい言う人がいました。
答えとしては、「運が良ければあるよ。僕もそんなところで働きたい」かなと。
実際、こういう職場で働いている人もいると思いますし、昔はこういう会社も多かったかもしれません。でも、今は大多数がこの希望の50%くらいの実現度なんじゃないでしょうか?
なんで、こんなに失敗を恐れるのでしょうか?
今の20代はバブル時代の思い切り良い環境と、バブル崩壊後の不安定な環境で生きてきた両親を間近で見ていますし、若い頃からネットや携帯などの先端技術に触れてきた世代です。
とか色んな社会不安を肌と情報を通じて感じ取ってきたと思います。
働くにあたっても、いまの日本はあきらかにサービス飽和状態ですし、少ないビジネスチャンスをみんなで争奪しあっています。若いうちは修行だ!根性だ!と若者を搾取し、低賃金で、世間と戦う術を与えないブラック的な企業もいたりするので、ただでさえ、不安な雇用を助長されたりもしています。
そら、冷めるわなと思います。
年長者としては、
「でも、失敗とは言わないまでも挑戦しないと成長もないんだよ」
と言いたいところですが、同じようなことを僕も20代の時に諸先輩方に言われてました。多分、いまのゆとりくんやさとりくんも僕と同じ年齢の頃、「最近の若ぇやつは…」って言ってるんでしょうね。
結局、ゆとる余裕なんてないし、さとれてもいないんですよね。誰もが。同じような事象を繰り返しながら、時はまわっていくのだと思います。何回も何世代も。すこしづつ淘汰されながら。
カノープス株式会社 青山