退職とは何なのか

退職ってなんでしょう。

退職という行為は経営側と働く側にとって感じ方に大きな差があると思います。

 

経営側は、

  • せっかくここまで育ててやったのに
  • 裏切りやがって

と感じるかもしれません。

 

働く側は

  • こんな環境で働かせやがって
  • こんな低賃金で働かせやがって

 

と思っているかもしれません。

それでも、やり合わないのが日本人の美しいところで、お互いの気持ちを鞘に収め、「まぁまぁ、お互い色々あって、嫌なことや言えないこともあったけど、ごめんね。せっかくだからまたいつかの機会はよろしくどうぞね。お互い頑張ろうね」と礼をするわけです。

 

大体そうだし、それで良いんだと思います。

いちいち理由を突っついて、炎上させるもんでもないんだと思います。
だって、その人は辞めたいんだから。

 

退職をバイトを辞めるくらいの感覚でする方もいますが、本当に堪えて堪えて、辞めるという方も多いと思います。
一つ一つの嫌なことは小さくても積もり積もれば、大きくなり、いつか崩壊します。その崩壊を止めるのは日々の接点や気づき、正しくタイミング良い評価、環境の改善、経営が示す未来…なのかもしれないです。
「かも」と書いたのはすごく難しいと思うからです。新卒の3年以内離職率が30%を超えたとか言われているくらいですし。働きがいのあるほにゃららランキングにランクインしている会社の方と面談したこともあります。本当に完璧な会社なんて無いと思います。

偉そうに書いている僕も、過去チームマネジメントや後輩の育成で上手くいった経験は一度もありません。僕がマネジメントしたチームは結局なし崩しに無くなりましたし、教育を担当した後輩は皆、辞めていきました(我ながらひどい記録です。書いてて落ち込んできました)。

だから、僕は人を雇うという考えをあまり強く持っていません。できれば70歳まで一人で続けて、最後は自分で作った会社を自分で閉めたいとおもっていました。

でも、最近ちょっとどうなのかなと思っています。一人でやると会社は僕以上には絶対ならず、僕の限界が会社の限界になるわけです。で、僕が優秀かと言うと、全くそんなことは無く、人材紹介業界の中では塵ぐらいの力しかないわけです。かなり必死になって年商3,000万くらいでしょう(目下そんな金額に到達する気配はありませんけど)。

リーマンショックみたいなことが起こったら?革新的な採用手法や文化が生まれたら?常に経済環境や技術、常識は塗り替えられていきます。定年が無い仕事とはいえ、70歳になった時に、経験値は蓄積されていても、今と同じパフォーマンスができる可能性は少ないです。起業最初は、収支が毎月引き分けで綺麗に終わるのがあと30年くらい続けばいいやと思っていましたが、我ながらアホですね。

だから人を採用するのかなと。
そんなこんなで、人の斡旋する仕事をしておいて、今更何言ってるんだという話ですが、人を採用するということ、人が辞めるということを最近よく考えます。いや…考えるというか思ってるレベルなので全く具体的な自社採用プランも無いですが、あと1年くらいもやもやしてみようと思います。

ところで、退職希望者を辞めさせない会社がありました。ご本人がずっとずっと辞めたいと言っているにもかかわらずです。人が足りないのはわかりますが、職務は充分に全うし、充分な、いや、充分過ぎる期間を待ち、仁義を切っているにもかかわらずです。次の会社もずっと待ってくれているようです。だけど、なんど退職日を言っても、

 

逆上する。はぐらかす。泣き落とししようとする。

 

人が辞めるのは気持ち良くないと思いますし、受け入れたくないと思います。プライドも傷つくと思います。多分、僕も人を雇って辞められたらショックでしばらく仕事が手につかないと思います。でも、このように往生際悪く、品の無い対応をする経営者にだけはなりたくないと思います。

結果どうあれ、短い人生の中の時間を一緒に過ごした仲間なんだから、ちゃんと背中押してあげて、また会える間柄で終わるべきだと思います。

カノープス株式会社 青山

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

青山 俊彦のアバター 青山 俊彦 カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

目次