人生を変える推薦状

私は初回面談時、いきなり求人を広げて応募してくださいとは言いません。ピンポイントでヘッドハントする場合ですと求人内容を先行して話すこともありますが、稀です。

 

相談者様それぞれに事情やお気持ちがありますので、まずは何故今私の前に来ていただいているのかをお聞きし、お望みの方には数回の面談を行います。

 

ビジネス的には効率が悪いと言われるかもしれません。ですが、30分、1時間の対話でその方を知るなんて器用なことはできませんし、いざ推薦となったらできるだけ細かにその方の良いところをクライアントに伝えたいと思うからです。

 

先日大阪に出張した際、とある企業に紹介したお二人と食事をご一緒させていただきました。お一人は2年前に東京から大阪のUターン転職を転職お手伝いしたM君。彼とは東京でお会いしていたのですが、もうお一人の女性IさんはZoomの画面越でしかお会いできていませんでした。

 

推薦した部門と職種も同じパートナーセールス。しかも関西エリア拡大に奔走していたM君のエリア後任がIさんという奇跡。自分の紹介したお二人が先輩と後輩として働いているのを知り、お話しするのがとても楽しみでした。

 

組織拡大期の大変な環境の中でも、先頭を切って活動しているM君。入社したばかりですが、会社や自部門の課題、今の自分の課題を正しく認識し頑張っておられるIさん。それぞれの近況やお気持ちを聞くことができ、とても良い時間を過ごすことができました。

 

後半になってM君が「入社後、上司と飲んだ時になんで自分を採用しようと思ったのか?と聞いてみたんです」と語り出しました。

 

上司の方はM君の所属していた前職に保守的な方が多い印象を持っていたようで、書類時点でうーん、、となっていたそうです。ただ会ってみようと思ったのはエージェントの推薦文が印象的だったからとのことでした。

 

当時の私が書いた推薦文の何に上司の方は惹かれたのか。

 

一番印象的だったのは「彼を嫌うお客様はおそらく存在しない」という一言だったようです。その一文で会ってみようと思い、実際にそう感じたからこそ採用をしたのだそうです。思い返すと確かに書きました。そして断定的な表現をしたのは自分としては珍しいケースでした。

 

それができたのは数回の棚卸しと過去の活動を細かに話してくれたM君がいたからです。採用する側の人間ではない自分でさえ魅力を感じるエピソードをお持ちのM君に対して純粋に思ったことを書いたのだと思います。

 

自分が普段書いている推薦文が選考担当者を動かしたと言う事実。とても嬉しく、ホテルに戻った後、MさんとIさんを推薦した時の推薦文を探し、二人にお送りしました。

 

大阪に二人を激励しにいったつもりが逆に元気をもらってしまいました。ありがとう。M君、Iさん。

 

自分たちが話し、書く言葉は人を動かし、人を生かす。そのことをしっかり認識して仕事をしていきたいなと改めて感じた出張でした。

 

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