「お客様を主役にした仕事をしたい」営業からカスタマーサクセスに転身したSさんのお話

SaaSビジネスを支える職種は多彩にありますが、その中でもカスタマーサクセスは私にとって思い入れが強いポジションです。

 

かつて転職相談者様に、Sさんという方がおられました。

 

彼はマルチベンダーで活躍するセールスでした。豊富な製品を駆使しお客様の課題に向き合う、、、そんな仕事をしたくて入社した会社に違和感を感じておられました。

 

彼が当時在籍していた会社は自社の営業注力製品を販売することが評価に直結しており、また会社全体がそのような文化を形成してきたため、お客様の都合より自社の都合を優先せざるをえない営業シーンも多くあったようです。

 

営業だから数字は大事。でもこれはお客様に必要なものではない。

 

彼は毎月繰り返されるその状況にいつしか違和感を感じるように。「自分の活躍の場はここではない」と転職を考えるようになったのでした。

 

彼と数回面談をする中で出てきた言葉で印象的だったのが「お客様を主役にした仕事をしたい」でした。

 

それまでの私はSaaS領域に特化しておらず、IT全般、または人材業界、金融、メーカーなど業界問わず様々なお客様の採用支援をしていましたが、彼の求める「お客様を主役にした仕事」とは何なのかすぐに思いついきました。それがカスタマーサクセスでした。2018年のお話です。

 

当時はSaaS型のサービス提供モデルやTHE MODEL型組織が世の中に浸透しだした頃。カスタマーサクセスの経験を積まれた人材は転職市場には少なく、どんな方がマッチするのか人材要件が業界全体で固まりきっていなかったように思います。

 

ただ、お客様の要望をしっかりヒアリングし、課題を見つけ出し、自社で提供できる最も最適なサービス提供、またその利活用定着化まで伴走してきたSさんの営業スタイルはカスタマーサクセスそのものでした。

 

現場で感じていた痛みと自身の仕事に対する思いを伝えた彼の言葉は面接官の心を捉え、一次選考から高評価。あっという間に第一志望の企業の内定を獲得しました。

 

彼はその後、内定を獲得した会社でCSリーダーを務めたのち、さらに高みを目指してCS組織が完成されていない企業に転身されました。彼とはその成長の軌跡を伺うのが楽しみで、定期的にお会いしています。いまはCS Opsとして充実した毎日を過ごされているそうです。

 

「お客様を主役にした仕事をしたい」

 

この言葉、実は私にもかなり刺さるものがありました。彼の転職支援の中でカスタマーサクセスの目指すものを知り、その面白さに惹かれ自然とSaaS領域の採用支援に導かれていきました。今の弊社の原点となった事例です。

 

お客様の生の声、課題に日々触れるカスタマーサクセスは顧客を成功に導き、かつプロダクト開発にも重大な影響を持つポジションです。

 

やりがいもある分、非常に幅広いスキルが必要です。

 

お客様の課題の理解力や課題の可視化の力、サービスの導入から運用を牽引するPM力、製品でカバーできない課題をオペレーションで解決するような柔軟な思考や提案力、マーケやセールス、開発など自社内関係者を巻き込む力、お客様の状況を数値で理解できる力、契約更新やアップ&クロスセルをリードできる営業力、時に特定の業界知見、、盛りだくさんです。

 

とあるカスタマーサクセス部門の責任者は「カスタマーサクセスはビジネス界の総合格闘家」とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと思います。

 

と書くととてもハードルが高そうに見えますが、まだまだ市場には人材が不足しています。もしかしたらご自身の持っている経験や思いがピッタリハマるかもしれません。

 

カスタマーサクセスに興味のある方、Sさんのようにお客様との向き合い方でモヤモヤを感じている方、または今カスタマーサクセスとして仕事をしているけど仕事のあり方などに悩まれている方、ぜひ気軽にお声がけください。

 

カノープス株式会社 青山cano-pus.com