ずいぶん前にお会いしてから、僕の起業後に再度連絡があった男性がいました。
26歳。社会人4年目。食品メーカー営業。理系大卒。
彼の会社の作る商品は聞いたことがある方が多いはず。僕も食べたことがあります。いや、結構食べてるかも。
書類は100%通過する方でした。ただ、気持ちが定まらずどこの選考を受けても二次で落ちてしまう。 すごく良い資質があるのに、熱量が感じられないというか。
「無理してない?」
と言うと、「いや、本気で転職したいです」というのでどうしたもんかと悩み、あまりやりたくない方法ですが、デジタルスペックで選考可能なものを全部見せてみました。
最後に1社だけ、彼が本気モードで僕に練習を依頼してきた企業がありました。
医療系メディアの企業様でした。
「なんで、医療系なんだろうなぁ」と求人票を出した僕が思っていました。
これまで受けてきたBtoB系企業とは全く異なる企業です。
「僕の親、廃業しちゃったんですけど医者だったんですよ。大学も医学部受けたんですけど、ダメで。頭悪いんすよ。でも、ずっと親の背中見てきたので、医療関連ってそうなのかなって求人票見て改めて思いました」
家族背景ってなかなか聞きづらいところですが、その時ようやくわかりました。
果たして、彼は必死な練習をし、気持ちを整理し選考に臨んだわけですが、結果は…
「お見送りです」
残念でした。彼も心底落ち込み、代替えの求人を見せても気持ちが乗らず、連絡が滞っていました。
「為替の影響で商品価格上がっちゃって、お客様と交渉が忙しいんです」
そうかぁと思ってしばらく経過していましたが、一昨日久しぶりに連絡。そこでびっくりしたのがこんな発言。
「僕、医者になることにしました。いま、仕事しながら大学に入り直すための勉強しています。仕事しながらってところが覚悟ない感じですけど笑 転職活動しながら、やりたいことわかったんです。ありがとうございます。まだあきらめちゃいけない気がしました。」
医者かぁ。すごいなぁ。こんな選択をした方は初めてでした。
ほんとに今からは大変だと思うけど頑張って欲しいです。
カノープス株式会社 青山