【ゆるゆる書評】10月はこんな本を読みました

4月の新年度あたりの転職を見据えている方が多いのか10月になって突然忙しくなりました。8月9月が落ち着き過ぎていたのか反動が…いや、うれしい悲鳴です。

忙しいと余計なことを考えずに済むので良いですね。その分集中して本は読めなかったですが…10月は以下4冊。

ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。

いきなりすごいタイトルですが、著者のフミコさんはツイッターでたまたま見かけた方。僕と同学年というところで親近感もありましたが、何より文章が面白くずっとフォローしています。フミコさんは世の中の様々な事象、特に人に対する独自の観察眼を持っていて、それを皮肉たっぷりの文章で表現されるのですがなんというか自分の口では言えないことを代弁してくれている気がして心地よいのです。

文中には著者がこれまで出会ったちょっと変な人たちを媒介しながら社会でのサバイバルの仕方を描いています。結構極端な登場人物も多いのですが、もしかしたら自分もそんな変な人の片鱗を持っているのではないかと自分を振り返ったりもできました。そこらのビジネス書や自己啓発本より面白いのではないでしょうか?

普通に文章だけでも面白いのですが、団塊ジュニア世代からいまの若者世代へ送ったエールとも言える内容だと思います。

HARD THINGS

シリコンバレーの投資家、ベン・ホロウィッツ氏の本です。この本を読むまで知らなかったのですが、アメリカのIT界隈では投資家として相当有名な方のようです。

この本は著者の経営者時代のキャリアについて書かれているのですが、死戦を潜って生きてきた数年間がこれでもかと描かれています。最初は僕ら世代には懐かしのネットスケープ社の話から始まってサクサク読めるのですが途中からものすごく息苦しくなります。途中で読むのが辛くなって飛ばし読みしたのですが、それでも読了に3週間近くかかりました。

会社が傾いた時、人がやめる時、やめさせる時、人を採用する時の留意点やマネジメントなどHR関連もかなり大事な内容が詰まっています。。。詰まっていますが、とにかく内容が重苦しい。友人経営者も同じ感想で彼は途中で読むのをやめたそうです。

ハードシングス=修羅場ですので心に余裕のある時に読んだ方が良いかと。

失敗しない廃業・事業承継のしかた事典

先日会社を10年まで続けようと誓ったのですが、同時に最悪のケースも知識として持っていなくてはと手に取りました。いまも昔も起業独立、副業などなどのブームがありますが、会社のたたみかたに関する情報が増えてきたのはここ数年ではないでしょうか?

日本には数多くの企業がありますが、後継者不足や経営者の年齢や意欲、経済環境など様々な事情で事業をつづけるのが困難になっている会社がとても多く、全国の社長の平均年齢は60歳を超え、年商1億以下の僕のようなサイズの会社だと76%近くが後継者不在の問題を抱えているのだそうです。確かにM&Aが大流行なのもよくわかります。

この本は会社を終わらせたい時の基礎の基礎を知るにはとても良いと思います。個人経営の僕にはいまのところ廃業か倒産しかゴールが見えないのですが、M&Aの辺りを読むうちに会社を継続させるためには良い手法だと思うようになりました。あとM&Aって転職と流れが似ていてすっきり読めました。

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?


Kindle unlimitedで無料です。会社の管理会計、特に限界利益に照準をあてて説明している本です。僕も著者同様細かな経営数字を割り出したりするのは苦手なのですが、利益の重要さは会社を続けるほどに意識するようになっていて、うんうんと頷きながら一気に読みました。

1日で読み終えることができる量なのでおすすめ。経営をしているorしたい方だけでなく企業にお勤めの方が読んでも良いと思いますよ。

僕も最終的に残したい利益(純利益)を暫定で決めてそこから目標売り上げを逆算する感じで考えています。なかなか思う通りにいかないですけど(泣)

以上、4冊です。11月も頑張って読みます。

カノープス株式会社 青山

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