ロート製薬が副業解禁したそうで話題になりましたね。副業と聞いて、ざわざわする方は多いのではないでしょうか?俺も、私も、あちきも副業したいんや!そんな方は弊社のご相談者にもおられます。でも、大抵は、、、
収入の足しにしたい
会社に縛られたくないし自由になりたい
、、的な感じだったりするんではないでしょうか?中には「もうやってるんですよ」っていう方もいたりします。でも、よく聞いてみると「おいおいそれ大丈夫??」っていうネットワークビジネスだったり、FXだったり、アフィリエイト、アンケートだったり。まあまあ稼げる人は極僅かでしょう。しかも会社に申告していないパターンがほとんどな気がします。大体、副業ってなんなのか?どちらかというと後ろめたい感じがありますね。でもなんとなく流行りそうなイメージもある。そんなこんなで興味がありましたので、現リクルートHARES(ヘアーズ)の西村創一郎さんがはじめたオープンカレッジに行ってきました。「二兎を追って二兎を得られる世の中をつくろう」がビションのHARES(ヘアーズ)サイトはこちら
副業を取り巻く企業側の環境
副業と聞いて「やってみたいな」と思った方は多いと思いますが、何故かというと西村さん曰く、現在の日本は高度経済成長期から形成された終身雇用、年功賃金、解雇規制が崩壊しており、企業に身を預けることがリスクの時代だからとのこと。もう会社が守ってくれないのはみんな潜在的に感じ取っていることだと思います。確かに、バブル、リーマン等わかりやすい経済インパクトで日本の雇用制度が大きく変化してきたのは、僕もリアルタイムで経験してきたのでよくわかります。実際、調査によると副業をしたい人は就業者の70%に及ぶそうです。一方で驚くべき数字がもうひとつ。
日本の企業で副業禁止をしている企業は90%超
すごいですね。これはうち(自社)の仕事を専業しなさい。そうしたら守ってあげるよという旧体質の就業規則が日本企業のテンプレになっている面も大きいようです。でも法律的には副業ってしちゃいけないわけではないようです。会社の法律が縛っているだけ。だからこそ、先のロート製薬のような大手が解禁した件はニュースになったのでしょう。この会社側の規制については国側でも規制撤廃に向けて動きがあるようで、ここ数年で動きが変わりそうです。経済産業省でも副業やフリーランスなど雇用契約によらない新しい働き方の実態、それらの阻害要因、優良事例の把握を行うための研究会を設置したようです。とはいえ、長く続いた会社制度をひっくり返すには多くの障害がありそうです。理想を実現するには、社外だけでなく社内などでも「副業は専業を侵さないし、むしろ役に立つんですよ」っていう啓蒙活動が必要そうですね。経営陣ってやっぱり使用している人がよくわからない動きしていると気持ち悪いでしょうし。
副業に対しての労働者の現状
ぶっちゃけ興味あるけど何していいかわからないし、時間ないし、周りにもいないし、、っていうのが現状とのこと。確かに。同時にエンジニアやクリエイターなどであれば、クラウドソーシングが台頭してきていますので、本業とまでいくにはまだまだな面があっても副業はできる環境があります。僕でもすぐ思いつくのは以下の2社。僕も以前の会社でランサーズからロゴを発注したことがありますが、5万円だけで、なかなかどうして良いクオリティでした。
でも文系人材ってどうすんのよ?
でも日本のビジネスパーソンの多くは文系です。クリエイティブなもの作れって言われてもって感じですが、こういった文系パーソンにも副業のしやすいクラウドソーシングなどのプラットフォームはどんどん生まれてきそうです。昨日はクラウドワークスの石山さんとSCOUTERの中嶋社長も登壇されていました。クラウドワークスでは先日リリースしたばかりのWoWme!の紹介。あなたの得意を売り買いできるというCtoCビジネスのようなプラットフォームですね。メルカリとかヤフオクとかジモティーとかにも似たところはあるのかもです。僕も登録してみましたが、結婚恋愛相談や子育て相談など、「それお金になるの?」というものが多いようです。要はご自身が得意なもの、相手に喜ばれたいものなら出品していいようです。値付けは上限あるようですが、やっぱり1000円-3000円などが多いようですね。まぁ払ってもいいかなと思うかもです。気になるところでは転職相談なども数千円で出品されていましたので、僕も職務経歴書1000円で作りますとか出しちゃおうかな(今全部無料でやってるけど)。本業バリバリだとダメなのか??あとはSCOUTER。要は個人が人材エージェントになるというやつですね。転職における意思決定のメカニズムとして友人とか知人、親などに相談する人は日頃仕事していてもよく感じるところですので、ある意味理に適っていますが、現存のエージェントのリテラシーについて言及されるシーンもあり、耳が痛いなぁと思ったりもしました。確かに僕なんかでも生業として何で食っているかって人材紹介フィーですからね。公正中立を貫こうと起業した僕だって、経営が厳しければ欲が出る時だってありますし、襟を正したいと思った次第です。僕ら人材業界は友達に出来るレベル以下の仕事をしていてはいけないよってことですね。
現役複業家のビジネスリテラシーは高い
そのあとは複業家トークセッションでしたが、フリーランスPR広報の平田さんと看護とキャリアアドバイザーを複業している落合さんのトークセッションでした。平田さんはカンガルーワークというお子様連れでのお仕事もしているとのこと(待機児童になってしまっているんだけど、じゃあ連れて仕事しようということのようです)で小さなお子様を抱っこしながらなのが印象的でした。落合さんは大変失礼ながら、最初結構普通な人だなーと思っていたんですが、話す内容が平田さんと共に超ハイレベル。内容は端折りますが、お二人とも本業の軸をしっかり若い内から積み上げ、普段の仕事でも情報感度を高くし、目の前の課題ややりたいことの取捨選択をしてきたからこそ、今があるのかなという感想を持ちました。あと、幼少期や人生の節目で結構大きな意思決定をする事件が起きているのも印象的でした。クランボルツのプランドハプンスタンスセオリーとか人材系の人でしか知らないような言葉が出てきたりと吃驚しました。
副業より複業。理想を手に入れるために必要だなと感じた事
この勉強会で僕が感じたのは以下の4つです。
- 就業規定は見直されるべき
- 副業でなく複業
- そもそもビジネスパーソンのリテラシーアップが必要
- 個人の能力を見つけてもらえる場はできている
普段転職支援をしている僕にも、日本の労働生産人口、特に若手人材の減少は顕著に感じています。企業様側でも少ない人数で高い実績を残せるよう、求める人材要件は日々高まっていると思います。要は「優秀な人」の争奪戦。ニーズが尽きないのは嬉しいのですが(今月もテレアポ1件もしてないのに6社と契約できてしまっていたり)、人材集めには日々苦労しています。これってどこかで限界がくるのかなという予測もしていますので、企業側の副業規定も何かしらの形で変わっていく流れになると思います。以前読んだ、リンダグラットンのWORLSHIFTやダニエル・ピンクのフリーエージェント社会の到来などに近い社会が出てくるのではないかと。小規模スモールビジネスやアーリー、シードステージベンチャーなんかであれば、思い切って副業解禁にしたほうが良い人材取れるんじゃないかと思いました。
あと、主催の西村さん含め複業家何名かのお話を聞きましたが、副業をする大前提として「この人達めちゃくちゃビジネスリテラシーが高い」ということにも気づきました。多くの方が憧れる副業ですが、そもそも得意・好き・こうしたいを自分の中に育むためにそれなりの経験をしてきているんだなと思います。みんなが口を揃えて言っていたのは「稼ぎたいと思った副業は失敗する」ということ。これは僕も普段からお話していることですが、経験の少ない若手人材ははまずは本業の見直しをしてみたり(能力を取りに行く転職をする)、本業がやらされているものでなく、自分の中での成長を育むものだという意識変換が必要な気がします。副業だと小遣い稼ぎぽいですが、本業あっての副業、つまり複業ができるだけのビジネスリテラシーを身につけることが大事だなと感じました。クラウドソーシング含め、自分の得意能力を見つけてもらえるサービスはこれからも多くリリースされそうです。その時がくるまでに自分を高めていくといいと思います。
さて、僕も何か複業しようかなぁ。経営している自分にとって何が複業なのかはわからないけど。仕事の愚痴聞きます1時間1000円なら売れるかな(笑)
※今の自分をさらに高める転職をしたい、複業したいけどどんな力つければいいのかわからないという方はお気軽にご相談くださいね。
カノープス株式会社 青山