クライシスは何度でも

最近、年齢が近い友人にそれなりに勤めた会社を退職する、新たに会社経営を始める、キャリアチェンジするなどの動きが多いように感じます。

 

冒頭「年齢が近い」と書きましたが、40-50代の方を想像して読んでいただければと思います。

 

友人達は年齢的に社内では中堅以上。それなりの立場や責務を担っています。ビジネスパーソンとしても優秀な人達ばかりです。そして家族がいて、守るべきものもあります。

 

そんな友人達がなぜ今ある立場や安全な生活を捨ててまで挑戦するのか?

 

先日、そのような決断をした友人の一人が

 

「いわゆるミドルエイジクライシスかもしれないね」

 

と話していました。ミドルエイジクライシスについては詳しく取り上げている記事がたくさんあるのであまり触れませんが、その名のとおり中年期の危機です。似たような例でゴーギャンコンプレックスという言葉もあるようです。

 

友人が数年前から悩んでいたのは知っていました。当初はなんでそんな恵まれた立場で?と思っていましたが、会社での自分の立場と気持ちの乖離、仕事自体へのやりがいや残りの人生過ごし方、焦燥感など機会あるごとに話す姿を見るうちに、友人が少しづつ自分の心にかかった鍵を外そうとしているのに気づきました。

 

家族持ち、家のローンもある。今ある安定した生活を手放すことにもなりかねない。最後の決断に至るまでにかなりの時間をかけていたのは、大きな葛藤があったからだと思います(多分3年、、もしかしたらもっと長い期間悩んでいたと思う)。中年期に会社を去ることはただでさえリスクが高い。それに加え、友人の選択した新たな挑戦は何年も勤めた業界自体を去るというものでしたので、その葛藤たるや相当なものだったでしょう。

 

友人の話を聞き、今の自分自身を見つめ直してみました。10年前これでやって行くのだと心に決めて会社をはじめたはずの私も業界の変化やそれに伴う漠然とした不安、やりがい、肉体的衰え、家庭環境の変化などいろんな要素が絡み、今後について悩んでいないわけではありません。

 

友人と同じように今の業界を去ることを想像してみました。

 

「いつだって辞められる。いざとなったら何でだって食べていける」

 

そう思っていたはずなのに、今までお世話になったお客様や相談者様、仕事を通じて出会った多くの方々から少しづつ忘れられていくことに恐怖を感じました。また今の仕事以外で家計を支えて行く術があまり思いつかないことにかなり焦りを感じました。

 

起業を決意したのが40歳。自分のミドルエイジクライシスはその時だと思っていましたが、もしかしたら今2度目のミドルエイジクライシスに入りかけているのかもしれません。

 

クライシスは何度も訪れる。一度乗り越えたら終わりではないのかもしれません。

 

友人は、自身の経験を経てこのような危機を乗り越えるには仕事を一つのカテゴリーに集中しすぎず、常に新しい挑戦しながら、ビジネススキルや収益チャネルを増やして行くことが一番だと思うと語っていましたが、私も全く同じことを考えていましたので合意でした。

 

日々忙しいと自分の周りの変化に対して気づいていても対処できていなかったり、黙殺してしまうものです。

 

挑戦をやめないこと、今ある自分に閉じないことの大切さ、いつかくるかもしれない危機を乗り越えるために多くの方々にお伝えしたいところです。

 

カノープス株式会社 青山

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この記事を書いた人

青山 俊彦のアバター 青山 俊彦 カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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