なかなか打ち解けられないご相談者様がいます。
お仕事でお会いしているので、好きとか嫌いとかでないんでしょうけど、どこをフックに心の鍵を開こうかなぁと。
特に女性ですと、沈黙が怖い。
何故かというとこんな苦い思い出があるから。
大学2年生になってはじめてお付き合いをさせていただいたのは、僕のバイトするコンビニ(サンクスね。まだあるのかな)の横のドラッグストアの女性。
そもそもお店によく来てたとなりのお店のバイトを捕まえるという超手軽な戦略をとったわけですが、彼女と僕はそれまでの「毎日顔を合わせて挨拶する」ラインを踏み越えるべきではなかったのでしょう。
おデートを重ねるたびに会話が無くなっていくわけです。ネタがあわない。彼女はボディーボードなどをお嗜みになるアクティブな方で、僕はというと家で漫画読んだり、ゲームやるくらいしか趣味の無い人間。どこか連れてってと言われると何も思いつかない。
「行きたいところとかないわけ?」
3回目くらいで既に嫌がられていました。行っても近くのすっごいマイナーなファミレスでテレビの話とかダラダラ過ごすだけ。僕にとってはそれだけで幸せだったのです。
面白さが1mgも無い奴です。今思い出すだけでも恐ろしい。恥ずかしい。
いつしか会話も無くなり、でも会いたいのでなんとなく惰性で会ってましたが、いつか言われると戦々恐々としていた最後のトドメ。
「あんたの話す内容超つまんない。黙ってた方がマシ。黙れ」
死にたい。
それ以降、しばらく女性と何を話していいのかわからなくなった時期がありました。20歳の頃のせつない思い出です。面白い人になりたくてナンパ本とかをこっそり読んでいたのは内緒です。
なので、今でも女性に極端に沈黙されると、心臓に汗をかきます。
と、まぁ40も過ぎてなんやねんという話ですが、若い頃の原体験てしつこく自分を支配しているんだなぁと思います。
ちなみに以前、なかなか打ち解けられなかった女性のご相談者様は道すがらに見つけたキックボクシングジムから打ち解けました。ジムの前で立ち止まる彼女。
「私、実はムエタイやってるんです」
「げー全然そんなふうに見えない」
「いやアマで試合も出ます」
「ぐわー」
「あははは」
人ってわからない。何から打ち解けられるかわからない。もっと勉強します。いろいろ。
カノープス株式会社 青山