2年でカノープスは「XXに強い人材紹介会社」になれたのか?

カノープスの設立からもうすぐ2年です。なんとかやってこられたのは、色々な方のご助力あってこそ。ほんともう感謝しかないです。

このブログも続けているとアクセスはそんなにないですが、問い合わせいただけることもチラホラ。ありがたいことです。

2年やってこられたのは何がよかったのか、まぁ結果論ではありますね。でもこのままではいけないことだけはわかっています。

INST石野さんがこんな記事を書かれていました。

カノープスは立ち上げ当初、業界カットも職種カットもしていませんでした。なんで起業したのかと言うと、前職での紹介事業立ち上げで「なんとか食える」という実績を出せたのと、当時のオーナーさんと少し音楽性が合わなかったこと、年齢的にもう自分でやるしかないでしょうと妙に腹がくくれたこと、、こんなことが重なって飛び出したのが本音です。よく考えると逃げの起業とも言えますね。

戦略はないけど、地べた這い回ればなんとななるかなという実体験を1年半経験してからの立ち上げ。

財産は沢山ありました。前職、前々職から幾つかのお客様から変わらずご依頼いただけたこと。お客様や友人からお客様や相談者様をご紹介いただけたこと、この仕事をはじめてからお会いしてきた相談者様が立ち上げの知らせと同時に何人も人を紹介してくれたこと。媒体社様がコストかけられないという僕の相談に、イレギュラーの成果報酬契約を許してくれたことなどなど。おかげで僕は設立以来、電話営業などはほとんどしていません。また、失礼ながら音楽性が合わないと表記した前職オーナーにも色々な勉強をさせていただきました。特にキャッシュと経営のことは泣けるくらい現実を叩き込まれました。これはすごい財産になりました。今となっては感謝です。

当初は種銭稼がなくてはどうしようもないので、給料カットして、とにかく相談者様との時間を優先してきました。

通常の紹介会社さんの1回の面談を数回にわけて綿密に行うなど、オペレーションを流行のものから逆行させました。

喉から手が出るほど欲しい売り上げが目の前にあっても、内定辞退も快く承諾し、その選択を応援しました(お客様には相当がっかりされたけど)。転職自体を止めることも多いです。

相談者様の声を一番にしました。例えば、相談にいきたいのに履歴書や職務経歴書を持ってこいとかっておかしいとか、応募までに3日以内に返事欲しいとかおかしいとか、辞退したら人材会社に怒られたとか、そういうのは全部止めました。

相談者がどうあったら嬉しいのかを常に考えながらオペレーションを組み立ててきました。

資金繰りも最低でも黒字にすること、資本金に手をつけないこと、3ヶ月はなんとか生き延びることができる現金を残すことだけを考えてきました。

僕は多分、通常の人材会社ではもうやっていけないと思います。今の僕のやり方はKPIもへったくれもないからです。

ただ、結果として、サラリーマン時代より売り上げは減りましたが、満足度は増しました。会社も敏腕税理士の浅川さんのおかげで3期目に突入できそうです(正義か悪かでいったら常に正義の会計方法しか示さないので僕的には悪いことができない)。

ただ、最近はこれって自己満足なのかなと思うようになりました。

石野さんのブログに戻りますが、

「儲かりそうだから」で始めた人材ビジネスほどミジメなものはありません。

これは超正しい。人材紹介は超儲かりません。真剣にやるほど儲かりません。なんとなく新規事業はじめてみたいなぁとか、toC系ビジネスで人材のDB持ってたり、ちょっとしたご縁で人を転職斡旋した経験があると出来そうに思えてしまいますが、錯覚です。

とにかく立ち上がりが遅いですし、安定化までに数年かかると思います。最初の1年は潰れるか潰れないかの瀬戸際で苦しむはずです。ここだけの話、起業して半年くらいで「このままじゃ家計にお金を持っていくこともできない。。もうダメかも」と思ってました。

僕の場合は、平田さんはじめ、昔から僕を知る友人知人が「青さん大丈夫!?」と必要以上に心配して助けてくれたので(僕はまわりを心配にさせるタイプらしい)、乗り切ることができましたが、かなり運の良いパターンだと思います。

これまでが自己満足だったかもと思うようになったのは、なんでもかんでも一つの人材会社が提供できるわけではないからです。そもそもの限界がある。となると「XXに強い人材紹介会社」というセールスポイントはとても大事です。僕はなんとか続けるために全職種、全領域に手を出していましたが、結果として求人のご依頼をいただくだけで、塩漬けになってしまうお客様を量産してきたと思います。相談者様も同じで、僕のあまり詳しくない業界や職種を経験している人、やりたい人とまともな会話なんてできるわけがないです。多分、僕のやってきたこと以上のことって提供できないのだと思います。そもそも一人でできる量も限られています。多分、全力で採用をお手伝いできるお客様数って10社くらい、対応できる職種って1個か2個なんじゃないかと思います。

となるとこれまでの実際の成果をベースに「IT業界の営業職に強いカノープス」とうたって、そこだけに一極集中したほうが本当の意味での会社の存続とお客様、相談者様の満足度を上げることができるように思います。

とはいえ、うちのホームページは「IT・WEB・HR×20代から35歳までの次世代層に強い」と一見特徴的に見えて、すんごく幅広い感じになってしまっているのですが、、、立ち上げ当初よりは絞ってきているもののの、何かに特化するというのは何かを捨てるということ。なかなかどうして難しいものですね。

まだまだですね。カノープスはまだ何ものにもなっていないと思います。

カノープス株式会社 青山

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この記事を書いた人

青山 俊彦のアバター 青山 俊彦 カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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