こんなタイトルにすると何やらベンチャー企業のニュースぽいですが、すいません。ただ弊社がお金の工面をしただけの話です。今回のコロナ禍で緊急資金調達をした中小企業経営者さんは多いと思いますが、僕も同じく調達をしました。
リーマンショック時は会社員でしたので、景気悪化の影響を受けていることは理解していても、自分の所属している会社のお金が底を尽くようなシーンはイメージができていませんでした。でも今回は状況が違います。自分で会社を経営しているので底がわかるのです。わかる以上その対策も自分で立てなくてはなりません。
4月あたり、採用界隈では人材要件の見直し、全面停止、時期見送りなど、小さめのパニックが起こりました。6月になって少しづつ戻ってきた感覚がありますが、今後半年、1年の間に景気悪化の第二波・第三波がきたら?と底知れぬ恐怖を感じました。なので今回はかなり早い段階で金策に走ることにしました。身近な経営者さん達が早々に動き出して「そっちはどうしてる?」と声がけしてくれたのもありますね。ありがたいことです。
ちなみに会社にお金がない、苦しい状態になるとあまり良い精神状態にはなりません。僕はこの状態に初年度、3期目に陥ったことがあります。とにかく不安で落ち着かなくなるのです。ただ、初年度は立ち上げ時期なりの苦しさであり走り抜けばなんとかなるという謎の自信がありました。3期目はスランプによるものです。サボっているわけではないのにやればやるほど空回りして売り上げが上がらないという状況でした。ただ、この時もちゃんとやれば結果は返ってくるとこれまた謎の自信がありました。何故かというとお客様からひっきりなしに採用のオーダーはきており、転職相談も途切れることはなかったからです。
でも今回はもしかしたらそのどちらかが途絶える、あるいは両方が止まるのではないかという危機感を感じました。全て止まったら打つ手はありません。業態を変えるにしても新たなチャレンジをするにもその醸成にはかなりの時間がかかります。そんな時にも会社の生命を繋ぐのはお金なのです。
お金お金言ってなんだかいやらしい文章になってきましたが、会社にお金、現金があるというのはそれだけ重要で正義なのです。あれば心の余裕が生まれる。いざという時に打ち手を繰り出せる。無いとやるべき時にやりたいことができない。さらには精神を蝕まれ、心も商売も善悪でいくと悪の方向に走り出します。
ということで今回は日本政策金融公庫の新型コロナ感染症特別貸付、政府からの持続化給付金の2つを申請しました。元々税理士さんには景気の良い時に少し借りておけばどうかという話もいただいていたのですが、まだ余裕あるしなぁーとずるずると先延ばしにしたのがコロナで背中を押された感じです。
実際昨対比でいくと売り上げは落ちていましたし、運良く2つとも申請が通りました。前者は申請額の満額にはならなかったですが驚くくらいのスピードで審査が通りました。後者はいろいろニュースにもあったあれですが無事着金しました。着金してすぐ法人税の中間納付で無くなりましたのでなんとも言えない感覚にはなりましたがありがたいことです。
先週政府の第二次補正予算なども通過しましたが、ひとまずはこれで当面の備えは完了です。ただ、公庫の特別貸付も金利が優遇されているとはいえ借金は借金です。元々無いもの、心の保険と思って本来のデッドラインを忘れずにがむしゃらに働かないといけません。完済までの道のりはまぁまぁ長いですね笑
あと、コロナの影響による倒産や民事再生などショッキングな知らせをニュースでは見かけますが、取り上げられるのは大きくてシンボリックな企業がほとんどです。
実は裏でもっと大きく数を叩き出しているのは企業の休廃業・解散です。要は事業は続けられるのに辞める止めるというやつです。今年はそれが5万社規模だとか。ほとんどが中小企業で経営者の高齢化などが原因だと思うのですが、これ以上戦えないと身を引くドラマが1年で数万回起きている事実に色々と思うところはあります。たとえこのコロナ絡みの景気後退期を乗り越えても、新たな景気の波は来るはずです。それを今後の人生で何回乗り越えられるのか?いつまで戦えるのだろうか?と。
まぁ幕引きはまだまだ先にするつもりですが、最後は美しく潔く自分で自分を褒めてあげられるくらいになってからがいいですね。
カノープス株式会社 青山