
営業スタイルは多岐にわたりますが、担当領域の区分けとして代表的なものに「テリトリーセールス」と「アカウントセールス」の2種類があります。
- ・テリトリーセールス:特定の地域や市場を担当する営業スタイル、新規開拓が比重として多めになる傾向あり。
- ・アカウントセールス:特定の大口顧客(アカウント)を深く担当し、長期的な関係を築きながらアップセルやクロスセルを狙う営業スタイル
本記事では、それぞれの営業スタイルの特徴や適性について詳しく解説し、SaaS業界でのキャリア選択の参考になる情報を提供します。
テリトリーセールスとは何か?
◎概要
テリトリーセールスは、担当する地域(テリトリー)ごとに営業を行い、新規顧客の開拓を重視するスタイルです。中小企業(SMB)向けのSaaS製品に適しており、短期間で成果を求めるスタートアップ企業でもよく採用されています。
◎特徴
- ・地理的なエリアで担当を分ける(例:関東担当、関西担当)
- ・新規開拓が中心で、多くのリードにアプローチする
- ・1回の契約単価が比較的小さい(例:月額数万円~数十万円のSaaS)
- ・営業サイクルが短く、スピーディーに契約が進む
- ・インサイドセールス(オンライン商談)との相性が良い
◎活用されやすいシーン
- ・SMB向けSaaSの営業
- ・地域ごとに市場の特性が異なるエンタープライズ向けSaaSの初期開拓
- ・スタートアップ企業での営業チーム構築
◎メリット & デメリット
メリット
・新規開拓に強く、広範囲の市場にアプローチできる
・営業サイクルが短いため、成果が出やすい
デメリット
・既存顧客との関係構築が浅くなりがち
・大型案件には向かない
アカウントセールスとは何か?
◎概要
アカウントセールスは、特定の企業(アカウント)を担当し、長期的な関係構築を重視する営業スタイルです。エンタープライズ向けSaaSに適しており、1件の契約規模が大きく、導入までのプロセスが複雑になります。
◎特徴
- ・特定の大手顧客(アカウント)を担当(例:トヨタ担当、ソニー担当)
- ・既存顧客のアップセル・クロスセルが中心
- ・契約単価が大きい(例:年額数千万円~数億円のSaaS)
- ・顧客の意思決定プロセスが複雑で、成約までに時間がかかる
- ・エンタープライズ営業(フィールドセールス)との連携が重要
◎活用されやすいシーン
- ・大企業向けのSaaS
- ・長期契約を前提としたカスタマイズ型のSaaS営業
- ・既存顧客の売上を伸ばすカスタマーサクセス戦略
◎メリット & デメリット
メリット
・1件の案件の売上規模が大きい
・既存顧客との関係を強化しやすい
・アップセル・クロスセルで売上を拡大できる
デメリット
・成約までの時間が長い(半年〜1年以上)
・獲得できる案件の数が限られる
・決裁プロセスが複雑で、営業の難易度が高い
自分の営業スタイル適性を考えてみる

SaaS営業として転職を考える際、自分の適性や希望に合った営業スタイルを選ぶことが重要です。例えば、
- ・新規開拓が得意で、短期間で成果を出したい or 近い経験をしてきた → テリトリーセールス向き
- ・顧客とじっくり関係を築き、大型案件を担当したい or 近い経験をしてきた → アカウントセールス向き
- ・スピード感のあるSaaSスタートアップで働きたい or 近い経験をしてきた → テリトリーセールス向き
- ・エンタープライズ向けのSaaSでキャリアを築きたい or 近い経験をしてきた → アカウントセールス向き
のように自身の希望やこれまでの経験実績を元に営業スタイルを選択していくのが良いでしょう。ただ、希望をするだけで配属が叶うものではないため、それまでの経験とそれぞれの営業スタイルの共通点を探るのも大事です。
SaaS企業における実際の営業スタイルの使い分け
実際のSaaS企業では、テリトリーセールスとアカウントセールスを組み合わせて営業チームを構成していることが多いです。例えば、次のような流れで営業活動が進みます。
- ・テリトリーセールスが市場全体にアプローチし、新規リードを獲得
- ・インサイドセールスがリードを精査し、適切な営業担当者に引き渡す
- ・アカウントセールスが大手顧客を担当し、長期的な関係を構築
このように、ほとんどのSaaS企業が、それぞれの営業スタイルを組み合わせ、企業全体の売上最大化を図っています。ですので、仮にアカウントセールスでの配属が叶わなくても、入社後社内異動で希望するポジションに就くことも可能です。
まとめ
本記事では、SaaS業界におけるテリトリーセールスとアカウントセールスの違いについて解説しました。
- ・テリトリーセールス:地域単位で新規開拓を行い、短期間で成果を求める営業スタイル
- ・アカウントセールス:大口顧客との長期的な関係構築を重視し、アップセル・クロスセルで売上を伸ばす営業スタイル
SaaS営業としてのキャリアを考える際、自分の得意な営業スタイルを理解し、適切な企業やポジションを選ぶことが重要です。
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