効果的な職務経歴書の作り方:インサイドセールス編

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インサイドセールスは、SaaSビジネスの入り口とも言える重要なポジション。どのベンダーでも毎年試行錯誤しながら、ナレッジを蓄積し、業務を体系化してきました。そのためもあってか、異業界や異職種からの転身でも挑戦しやすいポジションともいえます。本記事では、現役インサイドセールスが押さえるべきポイント、特に定量情報と定性情報の重要性について解説します。

まずは伝えたい情報を5カテゴリーに分割

職務経歴書にはこれといった書き方やルールは存在しませんが、いつの時代になっても変わらないポイントがあります。

1.選考担当が読みやすく
2.選考担当が理解しやすく
3.選考担当が知りたい情報が書いてある


この3点がとても大事です。このポイントを抑えるために、書類を構造化しカテゴリー分けすると良いでしょう。おすすめは【業務内容】【担当サービス】【ターゲット顧客】【実績】【ポイント】の5カテゴリー分けです。

【業務内容】はわかりやすく箇条書きに

【業務内容】は長々と書くよりも、自身の行ってきた業務をいくつかのカテゴリーに分けて箇条書きすると、選考担当も読みやすくスキルセットを把握しやすくなります。例えば、BDR(Business Development Representative)チームのリーダーとしてインサイドセールスの実務を担当しながら、メンバーをマネジメントし、業務体制構築をしていた方であれば、以下のように記載できます。

◎BDR(従業員規模1,000名以上の企業に対するアウトバウンドアプローチ)
・ターゲット企業の選定
・ターゲット企業キーパーソンの発掘
・電話やメール、手紙、LinkedInを用いた個別アプローチ
・ターゲット企業のアカウントマネジメント
◎メンバーマネジメント(メンバー6名)
・目標設定/進捗管理
・1on1による個別サポート
・半期に一度の評価
◎その他
・トークスクリプトの作成
・DM企画作成
・ターゲット向けセミナーの企画運営
・業務改善(フロー構築・改善など)

このような形式で記載すると、何をやってきたのか、自分が何ができるのかが伝えやすく、相手にも好感を持ってもらえます。

【担当サービス】【ターゲット顧客】も意外と重要

【担当サービス】も相手に自身の仕事内容を伝えるにあたって重要な要素です。複数のプロダクトを扱っているベンダーに所属していた場合、担当サービス名の記載がないと選考担当はどのサービスを担当していたのか調べたり、予測する手間が必要になるため、軽微なストレスがかかります。また、【ターゲット顧客】も重要です。インサイドセールスですと、対応できる顧客層や規模、業界、ターゲットとしていた担当者が誰なのかは相手も知りたがる情報です。例えば、以下のように記載するとよいでしょう。

【取扱プロダクト】
ログ管理ソフト「●●●●●●」、ID管理ソフト「●●●●●●」

【ターゲット顧客】
従業員数:1,000人以上の中堅から大手企業
主な対象業界:SIer、コンサルティングファーム、製造業界、商社等
主な商談相手:経営層、総務部、情報システム室

このように記載すると、日々どんな企業を相手に活動していたのかがわかりやすく、好感が持てます。

【実績】は最も注目される重要項目

インサイドセールスの職務経歴書では、数字で示す【実績】は最も重要な項目です。どのような目標を持ち、どのような成果を残してきたのかを目標に対する達成率で示すと説得力が増し、面接官も面接時の話を広げやすくなります。例えば、以下のように記載するとよいでしょう。

【実績】
2022年度 
商談獲得数:目標達成率120%(実績120件/目標100件)
受注転換率:目業達成率120%(実績72件/目標60件/MRR:XXXXXX円創出に貢献)

2023年度
商談獲得数:目標達成率120%(実績120件/目標100件)
受注転換率:目業達成率120%(実績72件/目標60件/MRR:XXXXXX円創出に貢献)

現職で用いてたKPIとその達成率、実績、目標数値がセットで記載されていると選考担当も見やすく好感を持ちます。

上記は一例です。会社ごとに用いられる目標設定/KPIは異なりますが、定量情報には以下のような項目もあります。

  • ・月や年間の商談化数
  • ・見込み客(リード)の創出数
  • ・リードから商談へのコンバージョン率
  • ・既存顧客に対するアップセルやクロスセルの件数
  • ・ハウスリストからのリード掘り起こし数
  • ・目標達成率(KPI達成率、売上達成率など)

表記するのは自身の会社で用いていた数値で構いません。

【ポイント】で突出した成果や事例、社内貢献度をアピール

【ポイント】は数値で表す実績を補完したり、数字に表れにくいスキルや取り組みをアピールするために用います。うまく表現できれば、選考担当の心を掴むことができます。例えば、以下のように記載するとよいでしょう。

【ポイント】
・新拠点設立のニュースをきっかけにキーマンの発掘。上場メーカーの受注に貢献
中部地方を本拠地とし、全国12箇所に拠点を持つ上場A社が九州エリアに新しく物流拠点を開設することをプレスリリースで知り、当社で保有していた同業種の事例を用いたDMの郵送。キーマンを推定し、LinkedInでのアプローチをしたところ面談の機会を獲得。結果、DMで提案した事例が顧客課題に一致し、拠点でのサービス利用をご依頼いただけた。その後1年で同社本部及び全拠点への展開も決まり、MRRXXXXXX円の業績に貢献することができた。

上記は一例です。このように一つの大きな成功実績を詳細に記載するパターンもあれば、以下のように箇条書きで記載するパターンもあります。

【ポイント】
◎リードナーチャリングを強化し、商談化率を20%から35%に向上
◎過去6ヶ月でハウスリストから新規リードを100件創出
◎Salesforceを活用して商談化プロセスを改善し、チーム全体の生産性を20%向上
◎HubSpotでのMA設定を通じて、リードナーチャリングの自動化を実現し、営業対応時間を15%削減

このカテゴリーは比較的柔軟に記載ができるカテゴリーですので書き方が難しいですが、迷ったら以下のようなテーマで実績を記載すると良いでしょう。

  • ・事業貢献度の高い商談獲得実績
  • ・業務プロセスの改善や効率化への貢献
  • ・チームマネジメントによる業績向上

何を書くべきか迷った時に参考にしてみてください。

まとめ:完成イメージ

インサイドセールスの職務経歴書は、【業務内容】【担当サービス】【ターゲット顧客】【実績】【ポイント】といった5つのカテゴリー分けをすると、選考担当も読みやすく情報整理しやすくなります。特に【実績】【ポイント】では定量情報と定性情報の両方をバランスよく記載することが重要です。これにより、自身のスキルや実績を具体的にアピールできます。異業種からの転職者も、過去の経験を上記の流れに沿って記載することで選考が通過しやすくなります。書類作成に迷われている方は本記事を参考にし、効果的な職務経歴書を作成してみてください。

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青山 俊彦

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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