ここ10年間で転職活動における手段やツールはとても増えました(2024年9月時点でも増加中です)。かつては求人ポータルサイトからの直接応募が主流でしたが、今では企業からのスカウトを受けるダイレクトリクルーティングや、エージェントを活用した方法も増え、選択肢が広がっています。さらに、SNSを利用した採用活動も盛んになっています。この記事では、「直接応募」「ダイレクトリクルーティング」「エージェント活用」のそれぞれのメリットとデメリットを解説し、どの方法が自分に最適かを考えるヒントを提供していこうと思います。
転職市場の変化と多様化するチャネル
転職市場はここ数年で大きく変化しました。以前は、リクナビNEXTやマイナビ転職などの求人サイトからの「直接応募」が一般的でしたが、今では選択肢が増え、ビズリーチやリクルートダイレクトスカウト、dodaX、Greenといったダイレクトリクルーティング型のサービスが主流と言って良いと思います。
さらに、WantedlyやYOUTRUSTなどのSNS型ポータルサイト、LinkedIn、Facebook、X(旧Twitter)といったSNS経由で企業担当者から声がかかるケースも増加中。企業も自社の採用活動を活発化し、候補者との接点を広げています。これにより、求職者は企業とのつながりを多様な方法で作れるようになり、選択肢の幅が広がっています。
選択肢が増えた分、それぞれのチャネルのメリット・デメリットを理解し、自分に最適な方法を見極めることが重要です。
直接応募のメリットとデメリット
直接応募は、求人サイトや企業の採用ページから自分で応募する方法です。自分で行動する自由度が高い反面、すべての作業を自分で管理する必要があります。
◎メリット:
- ・自分のペースで進められる:すべてのステップを自分でコントロールでき、じっくりと求人を選べます。
- ・豊富な選択肢:一般公開された求人の中から多くの企業を比較でき、選べる範囲が広いのが特徴です。
- ・直接のコミュニケーション:企業とのやり取りが直接行われるため、選考がスムーズに進むことがあります。
△デメリット:
- ・情報収集に手間がかかる:莫大な件数の中から企業の文化や仕事内容を自分で調べなければならず、情報収集には時間と労力が必要です。
- ・書類作成の負担:履歴書や職務経歴書、志望動機などを自分で作成する必要があり、場合によっては選考通過が難しくなります。
- ・競争率が高い:誰でも応募できるため、応募者が多くなるケースも多く、競争率が高い求人では書類通過しないケースもあります。
*総評:
自由度高く活動し、自分の意思を企業に強くアピールしたい方に適していますが、時間と手間をかける覚悟が必要です。
ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット
ダイレクトリクルーティングは、企業側から直接スカウトされる方法です。自分で応募する必要がないため、効率的に転職活動が進む一方、企業からのオファーに対応する手間が発生することもあります。
◎メリット:
- ・企業からのアプローチ:選択と応募の手間はなく、企業側が興味を持った場合にスカウトされるため、自信を持って選考に臨めます。
- ・非公開求人へのアクセス:企業が他では公開していない求人にアプローチできる可能性があり、一般の求人サイトでは見つけられないチャンスを得られる場合があります。
- ・選考がスムーズ:企業が事前にスキルや経験を確認した上でアプローチしてくるため、選考過程がスキップされることもあります。
△デメリット:
- ・不要なスカウトも多い:関心のない求人のスカウトが届くこともあり、選別に時間がかかる場合があります。
- ・必ずしもスカウトが来るわけでない:スカウトは会いたい人に送るものではあるので、人のよってその量や機会には差が生じます。
- ・受け身になりがち:企業からのスカウトを待つ姿勢になるため、これだけに頼ると受動的になりがちです。
*総評:
スキルや経験を一定の市場評価に任せ、効率よく転職活動を進めたい方に適しています。一方で自ら希望する企業からのアプローチが必ずあるわけではなく、この手法だけに頼ると受け身になる可能性があります。
エージェント活用のメリットとデメリット
エージェントを利用することで、プロのサポートを受けながら転職活動を進められます。忙しい人や転職に慣れていない人にとって、エージェントは心強い存在ですが、依存しすぎないことが大切です。
◎メリット:
- ・キャリアの整理:エージェントは、あなたのキャリアや将来の方向性について一緒に考えてくれます。WILL(意思)やCAN(できること)を明確にするサポートは大きなメリットと言えます。
- ・書類や面接対策の支援:履歴書や職務経歴書の作成、面接対策までエージェントがサポートしてくれます。選考対策が整っているので、より良い結果につながる可能性が高まります。
- ・企業の詳細情報を提供:エージェントは、紹介先企業の文化や内部情報に精通していることが多く、選考に役立つ情報を提供してくれます。非公開求人にアプローチしやすいことも特徴です。
△デメリット:
- ・エージェントの相性:自分に合ったエージェントに出会えるかどうかが重要です。求人情報の質やサポートの質などあなたが求めるものを明確にしましょう。一部強引なエージェントも存在しますが、良いエージェントは、あなたの意志を尊重し、長期的なキャリア成功をサポートしてくれます。
- ・応募企業の制限:エージェントが取り扱う求人に限定されるため、全ての企業にアクセスできるわけではありません。
*総評:
転職活動に不安がある人や、忙しくて時間が取れない人には最適な手法です。ただし、自分に合ったエージェントを選ぶことが重要です。
自分に合った転職チャネルを選ぶためのポイント
転職チャネルが多様化する今、自分に合った方法を見極めるためには、まず自分の「WILL(意思)」を明確にすることが重要です。転職の目的やキャリアの方向性をしっかりと整理した上で、自分の状況に合ったチャネルを選びましょう。
例えば、アプローチをしたい企業が明確な場合は「直接応募」、市場価値を知りながら進めたい場合は「ダイレクトリクルーティング」、迷いがあったり忙しい方、全面的な転職サポートが欲しい方は「エージェント活用」が適しています。
これらの方法一つに絞らずに、複数の方法を組み合わせることも有効です。エージェントのサポートを受けつつ、直接応募もしてみるなど、複数のチャネルを活用して転職活動を進めることで、チャンスを広げることができます。
まとめ
この記事では、直接応募、ダイレクトリクルーティング、エージェント活用のメリットとデメリットを比較しました。それぞれのチャネルには独自の強みと弱みがあり、自分のキャリアビジョンやライフスタイルに合った方法を選ぶことが成功の鍵です。また、複数のチャネルを活用することで、より多くの選択肢を広げ、理想のキャリアを実現するチャンスが増えます。自分のWILLをしっかりと定め、慎重かつ積極的に転職活動に取り組んでください。
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