転職回数が多いと、企業側にどう自分が見られるのか気になるものです。特に、短期間での転職が多い場合や職歴に一貫性がない場合、面接官が「どうして?」と懸念を抱くケースは多いです。しかし、しっかりとした理由や背景を伝えることで、ネガティブな印象を和らげることはできます。この記事では、転職回数が多い方が面接官からどう見られやすいか、その対策について解説します。
転職回数が多い人が企業側に持たれる懸念
短期間での転職が複数回続いている場合や、業種や職種が大きく異なる転職を繰り返している場合は、面接官から警戒される可能性が高くなります。企業は基本的に、中長期的に貢献できる人材を求めることがほとんどなため、短期間での転職が多い場合、入社後のリスクに対する懸念が出やすいのです。
転職回数が多いと見られるネガティブなポイント
短期間での転職や業種・職種の頻繁な変更は、以下のようなポイントでネガティブな印象を面接官に与えることがあります。
定着性
特に1年未満から1年程度の短期間での転職が複数回ある場合、面接官は「この人は長く続けることができるのだろうか」「また早期にやめるのではないか」という疑念を持ちやすいようです。
キャリアの一貫性
転職ごとに業界や職種が大きく変わっている場合、面接官は「どのようなキャリアビジョンを持っているのか」が見えにくくなります。一貫したスキルアップやキャリアの成長が見られないと、採用側には候補者の意思決定軸が見えず、自分に合わないと判断すると早期に離職するタイプなのではと懸念されることが多いようです。
組織への悪影響
転職回数が多い場合、面接官は「何かしらこれまでの就業先の行動に問題があったのではないか」と警戒します。現組織に与える影響を考えると、企業としては慎重になるのは当然です。
年代別の転職許容回数は?
転職回数に対する許容回数は、候補者の年齢やキャリアステージによって多少異なります。ここでは人材紹介業を10年間継続してきた筆者なりに年代別の転職許容回数をまとめてみました(あくまで筆者の主観です。正しくは各企業ことに異なります。)。
第二新卒(25歳前後)の場合
第二新卒層は、あまり転職をしていて欲しくない層ではありますが、1度の転職はぎりぎり許容範囲というイメージで良いと思います。会社の良し悪しの判断を明確にするだけの経験がない学生時代に選んだファーストキャリアが合わなくなることは理解しやすい面もあるからです。ただ、この若さで2回目3回目の転職となると「適応力や耐性に問題があるのか?」と見られる可能性が高いです。
30歳前後の場合
30歳前後で5社以上の経験があると、将来の定着率だけでなく、キャリアの一貫性や積み上げた力に疑問が持たれがちです。特に、30代からは組織の牽引などを任せられそうか?などと期待値も上がるため、転職回数に応じてキャリアの基盤がしっかり構築できていないと、チャンスを掴みづらくなります。
40代の場合
40代で7社からそれを超える転職歴がある場合、面接官はかなり慎重な見方をします。この年代では、キャリアの安定性やリーダーシップがさらに強く期待されるため、転職回数が多さに応じた強い専門性や組織牽引経験、高い実績が伴っていないと「組織への適応力の低さ」や「ローパフォーマンス」を転職の理由と見られるケースが多いようです。
転職回数の多さを少しでもポジティブに
上記のような転職回数を積んでいた場合でも、その理由が明確かつ納得できるものであれば、選考中に伝えることで面接官からの理解を得やすくなります。転職理由を効果的に説明するためのポイントは以下の通りです。
やむを得ない状況による転職は書類に明記
会社の倒産や経営状況悪化によるリストラ、またはM&Aによる転籍、プロジェクトの終了など自身のコントロール外の理由の転職であれば、イメージが変わることがあります。こうしたケースは書類の段階から明記しておくと、面接官に誤解を与えにくくなります。
ポジティブな意図を伝える
転職の度に「なぜその会社を選んだのか」「どのようなスキルや経験を得たのか」「なぜ転職に至ったのか」を具体的に説明することが大切です。目標を持って次のステップに進んだというポジティブなメッセージを強調することで、面接官の疑念を払拭できます。また、長期的な目標設定や次の会社でどのように貢献したいかを具体的に伝えることも必要です。
回答はとにかく誠実に
ポジティブな理由ややむにやまれぬ理由は伝えるべきですが、事実に基づかない内容で誤魔化すなどは決してしてはいけません。仮に一次面接を通過できたとしても、基本的な懸念は二次面接、三次面接、最終選考まで持ち込まれます。仮に通過できたとしても入社後にまた転職となりたくないはずですので、誠実さを失わぬよう心がけるのが一番大事なことです。
まとめ
転職回数が多いと、面接官からネガティブに見られがちです。実際に活動も苦戦するケースが多いですが、適切な説明と対策を取れば、その印象を変えることも不可能ではありません。重要なのは「転職の理由をしっかり説明し、一貫したキャリアのビジョンを伝えること」です。また、やむを得ない事情があった場合は、それを誠実に伝えることで面接官の理解を得やすくなります。転職の背景を明確にすることで、転職回数が多いというデメリットを最小限に抑えることができるでしょう。