条件通知書に書かれていた「サインオンボーナス」って何?その正体と支給時期

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この記事では、転職を考えているビジネスパーソンに向けて、「サインオンボーナス」とは何か、その正体と支給時期について詳しく解説します。特にスタートアップ企業への転職を検討している方にとって、サインオンボーナスは入社時の重要な要素となることもあります。この記事を通じて、サインオンボーナスのメリットや注意点を理解し、転職活動に役立ててください。

サインオンボーナスとは?

サインオンボーナスは、企業が新たに採用する社員に対して支給する「入社祝い金」や「入社一時金」のことです。これは、転職者が新しい職場にスムーズに移行できるように、また企業が優秀な人材を引きつけるためのインセンティブとして用意されます。特に外資系企業やスタートアップ企業では、サインオンボーナスが一般的に導入されています。例えば、業界の競争が激しいIT企業や金融業界では、サインオンボーナスを利用して、経験豊富なプロフェッショナルを引きつけるケースがよく見られます。

サインオンボーナスが支給される理由

サインオンボーナスが支給される主な理由は、転職者が前職からの年収減少を補填するためです。たとえば、前職で高額な給与を受け取っていた場合、新しい職場での給与がそれに見合わないこともあります。このような場合、サインオンボーナスを活用して、転職の際の収入減少を補うことが可能です。また、企業が競合他社との人材争奪戦に勝つための手段としても利用されます。サインオンボーナスは一時的な支給であるため、企業にとってもリスクが少なく、優秀な人材を確保するための有効な手段となります。

サインオンボーナスの支給時期と方法

サインオンボーナスの支給時期は企業によって異なりますが、一般的には入社時に一括で支給されることが多いです。例えば、入社初日の給与に上乗せして支給されることが一般的です。ただし、企業によっては年単位で分割して支給される場合もあります。これは、転職者が一定期間会社に留まることを期待しての措置です。支給方法については、雇用契約書や条件通知書に明記されていることが一般的です。転職者は、事前に支給条件を確認し、納得した上で受け取ることが重要です。特に、支給条件として「一定期間の在籍」が必要とされるケースもあるため、契約内容をよく確認しましょう。

サインオンボーナスの一般的な相場

サインオンボーナスの支給額は企業によって異なりますが、以下のような傾向があります。

  • 外資系企業のエグゼクティブ層
    外資系企業の上級役職(エグゼクティブ)では、サインオンボーナスが数百万から数千万円に上ることもあります。特に、企業がどうしても採用したい優秀なリーダーや専門家を引きつける場合、大幅なインセンティブが提供されることが多いです。

  • 日本企業の一般的なサインオンボーナス
    日本企業では、サインオンボーナスが数十万円から数百万円(多くて200万くらい)になるケースが多く見られます。スタートアップや成長企業が競争力のある条件で優秀な人材を引きつけたい場合に支給することが一般的です。

ただし、これらの金額はあくまで一般的な傾向であり、案件ごとに大きく異なることがあります。サインオンボーナスには通常、一定期間の勤務や目標達成などの条件が付けられるため、単純に金額だけでなく、条件も含めて総合的に評価することが重要です。

サインオンボーナスは交渉可能か?

サインオンボーナス外資系やコンサルティング企業で比較的多く見られる傾向がありましたが、最近は国内一般企業でもみられるようになりました。ただし、企業が「特別稟議で一時金を支給してでも採用したい」と高評価をつけた候補者に提示されることが多く、必ずしも全員がもらえるわけではないことを理解しましょう。

その上で、以下のような状況になると比較的交渉につながりやすいようです。

複数のオファーを受けた状態
複数の企業からオファーがある場合、他の企業のオファー内容を交渉の材料として提示し、条件の改善を図ることがしやすくなる傾向があります。競争相手がいることを示すことで、企業側もサインオンボーナスを検討しやすくなります。

入社後の貢献度が高いと期待してもらえている状態
サインオンボーナスは、企業が投資として見なすものでもあります。入社後にどのように会社に貢献できるかを選考時やオファー時に具体的に話すことで、企業側の納得を引き出しやすくなります。

サインオンボーナスを受け取る際の注意点

サインオンボーナスを受け取る際には、税金の処理や返還条件に注意が必要です。以下の点に留意し、事前に確認しておきましょう。

税金の影響を把握する
サインオンボーナスは税金・社会保険の課税対象となり、手取り額は支給額より少なくなることがあります。手取り額が自分の想定と違っていたという事態を防ぐために、税引後の額を事前に確認しておきましょう。

契約内容の確認
支給額や条件は、必ず条件通知書や雇用契約書に記載されているケースがほとんどですが、口頭での約束のみではトラブルが生じる可能性があるため、書面で確認することを怠らないようにしてください。一定期間内に退職した場合、サインオンボーナスの全額または一部を返還する義務が生じる場合もあります。契約書を確認し、退職した場合の返還義務を理解しておくことが大切です。

納得のいく形で転職を進めるためにも、疑問点があれば入社前に人事部門に問い合わせることが重要です。

まとめ

この記事では、サインオンボーナスの基本的な概念から、その支給理由や交渉ポイント、注意点について詳しく解説しました。サインオンボーナスは、転職者にとって大きなメリットとなる一方で、企業との契約内容をしっかりと理解し、慎重に対応することが求められます。転職を成功させるために、サインオンボーナスをうまく活用しましょう。特に、支給条件や返還条件を事前に確認し、納得のいく形で転職を進めることが重要です。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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