PLG・PLS・CLGとは?SaaS成長戦略の違いとトレンドを徹底比較

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SaaS業界では「PLG(Product-Led Growth)」「PLS(Product-Led Sales)」「CLG(Community-Led Growth)」といった成長戦略があります。これらは従来の営業主導型とは異なり、プロダクトやコミュニティの力で自然なユーザー獲得と定着を目指す手法です。本記事では、それぞれの定義・特徴・違い、そして現代のSaaSにおけるトレンドについて解説します。

PLG(Product-Led Growth)とは?

PLG(Product-Led Growth)とは、プロダクト自体を主導役とした成長戦略を指します。具体的には、ユーザーが製品を無料または低価格で利用し、その価値を体感した後に自然と課金やアップグレードへと進むモデルです。

・SlackやNotion、Dropboxなどが代表例
・ユーザー体験(UX)を重視し、製品が営業・マーケティングの代替を果たす
・トライアルやフリーミアム、セルフオンボーディングが典型的な導入形式
・ユーザーデータを活用した継続的な改善でLTV(顧客生涯価値)を高める

PLS(Product-Led Sales)とは?

PLS(Product-Led Sales)は、PLGをベースに、プロダクト利用データを活用して営業活動を強化する戦略です。ユーザーがすでに製品を利用している段階で行動データをもとに営業がアプローチします。

・利用状況に応じて、営業チームが最適なタイミングで提案を実施
・アップセルやエンタープライズ提案を自然に行える
・“押し売り”ではなく“顧客の成功を支援する”営業スタイル
・コンバージョン率と顧客満足度を両立できる戦略

CLG(Community-Led Growth)とは?

CLG(Community-Led Growth)は、ユーザーコミュニティを活用して成長を促す戦略です。ユーザー自身が中心となって、情報共有やサポートを行うことで、新規ユーザーの獲得や既存ユーザーのロイヤルティ向上につながります。

・FigmaやNotionのようなテンプレート・ノウハウ共有コミュニティが好例
・ブランドへの信頼性が高まり、マーケティングコストも抑制可能
・コミュニティマネージャーやイベント設計などの運営施策が重要

PLG・PLS・CLGの違いと使い分け

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PLG、PLS、CLGはいずれもユーザー中心の体験設計に立脚した成長戦略ですが、それぞれの主軸は異なります。

・PLG:製品体験を通じて自発的な課金を促す
・PLS:利用中の行動データを活用し、営業が提案
・CLG:ユーザー同士のつながりが成長を牽引

いずれも単独で完結するのではなく、実際には組み合わせて使われるケースが主流です。PLGで広くユーザーを獲得し、PLSで商談化、CLGでロイヤルティを高めるといったハイブリッド型の運用が理想的です。

SaaS業界における成長戦略の最新トレンド

現在のSaaS業界では、単一の成長戦略だけでなく、PLG・PLS・CLGを組み合わせたハイブリッド型戦略が主流となりつつあります。ユーザーの購買行動が多様化する中、多角的なアプローチが求められています。

・ユーザー獲得から定着までを段階的に設計する必要がある
・成長戦略はマーケティング戦術ではなく「組織設計」として再定義されている
・それぞれの戦略の本質を理解し、自社フェーズやターゲットに最適化することが重要

まとめ

PLG・PLS・CLGは、SaaS成長戦略における重要なキーワードです。本記事ではそれぞれの定義や違い、活用シーン、そして業界全体のトレンドを解説しました。今後のSaaS成長には、これらを単独で捉えるのではなく、組み合わせた戦略設計が重要となります。自社フェーズや市場に応じて、最適なアプローチを選びましょう。

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青山 俊彦

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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