【WFMとは】業務効率と人件費を最適化する人員管理手法

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WFM(Workforce Management)は、業務量に応じた最適な人員配置を実現し、顧客対応品質を守りつつ人件費を抑制するマネジメント手法です。コールセンターやコンタクトセンターなどの顧客対応業務で広く導入が進んでいます。本記事では、WFMの基本概念から主要な要素、導入メリット、そしてSaaS業界における活用事例までをわかりやすく解説します。

WFM(ワークフォースマネジメント)とは?

WFMとは「Workforce Management」の略称で、業務量に応じた人員配置やシフト作成をデータドリブンに最適化するマネジメント手法です。従来はコールセンターやBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界で普及していましたが、近年では医療、小売、SaaSなど幅広い業界でも注目されています。WFMの主な目的は、適切なスタッフ体制を構築し、サービス品質と人件費の両立を図ることです。

WFMの主要な要素

以下のような構成要素が、業界で広く認識されているWFMの基本です。

・需要予測と人員計画:過去の対応件数や季節要因、プロモーションなどを分析し、業務量を予測して必要な人員とスキルを計画します。
・シフト管理(スケジューリング):従業員の希望や制約を考慮し、効率的かつ公平なシフトを編成します。
・勤怠管理とリアルタイム調整:出勤状況や欠勤に対応し、当日の状況に応じた人員調整を行い、シフト遵守をモニタリングします。
・パフォーマンス管理と分析:業務効率や生産性を評価し、改善や法規制遵守に活かします。

WFM導入による主なメリット

・人件費の最適化:必要な人員を適切に配置することでコストを削減できます。
・サービス品質の向上:顧客ニーズに応じた対応でCS(顧客満足度)が向上します。
・従業員エンゲージメントの向上:希望やスキルに合わせたシフト構成により、働きやすさが高まります。
・業務効率の改善:データに基づく人員配置により、無駄な稼働が減少します。

WFM導入が注目される背景と業界

もともとはコールセンター業界で発展したWFMですが、人手不足や働き方改革の流れを背景に、医療、小売、物流など多業界での採用が進んでいます。24時間対応が求められる業界では、属人的な判断に頼らないデータドリブンな管理手法として、WFMの重要性がさらに高まっています。

SaaS業界におけるWFMの活用と可能性

SaaS企業でも、カスタマーサポートやインサイドセールスに関わる部門で、WFMの活用が進んでいます。例えば、24時間体制での問い合わせ対応や大規模アップデートに伴う問い合わせ急増時など、需要に応じた人員配置が求められます。WFMツールを活用することで、CS部門の稼働率向上や顧客体験の改善に寄与します。

まとめ

WFMは、需要予測と人員配置の最適化を通じて、人件費の削減とサービス品質の向上を同時に実現する効果的な手法です。コールセンターだけでなく、SaaS業界をはじめとするさまざまな分野で導入が進むWFMは、働き方改革や生産性向上の鍵となる存在です。リソース管理に課題を抱える企業にとって、WFM導入は有効な打ち手になるでしょう。

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青山 俊彦

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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