Will Can Mustフレームワークを利用した自己分析の5つのステップ

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自己分析はキャリア設計や転職活動の基盤となる重要なプロセスです。その中でも「Will Can Must」フレームワークを活用することで、あなたの目標やスキル、そして優先事項を具体的に明確にできます。
本記事では、このフレームワークを深掘りし、実践的な活用方法をステップごとに具体例を交えて解説します。

Will Can Mustフレームワークとは?

「Will Can Must」フレームワークは、キャリアの自己分析や目標設定を行うための実用的なツールです。以下の3つの視点から自己を見つめ直すことで、自分が進むべき道を整理できます。

  • Will(意志/志): 自分が本当にやりたいことや達成したい目標。
  • Can(能力/強み): 自分ができること、またはこれまでに培ったスキルや経験。
  • Must(需要/必要性: 社会や組織から求められる役割や責任。そのために身につけるべきこと。

このフレームワークを活用すると、現在の自分を冷静に見つめ、未来に向けた行動計画を立てやすくなります。

Step 1: 自己の「Will」を深掘りする

「Will」はあなたの心からやりたいこと、つまり意志や志を指します。単なる願望ではなく、情熱を持って行動できる分野を明確にすることが重要です。

具体的な問いかけ例
  • 「5年後、どのような仕事をしていたいか?」
  • 「過去に最も達成感を感じた瞬間はどんな時か?」
  • 「他人に頼まれなくても自発的に取り組みたくなることは何か?」
深掘りの方法
  • 過去の成功体験を振り返る: 小さな成功体験の中にも、あなたの意志が現れている場合があります。
  • 自分の価値観を洗い出す: 人生で大切にしたいことを明確にしましょう。仕事の成果だけでなく、働き方や人間関係の在り方なども含めます。
具体例

例えば、あるWebマーケティング担当者が「将来はクリエイティブなコンテンツマーケティングの専門家として企業のブランド力向上に寄与したい」というWillを見出したとします。これは、彼が過去にブログ記事の制作やSNS戦略で成功した経験から、「創造性を活かす仕事」に情熱を持っていることを再確認した結果です。

Step 2: 自分の「Can」を客観的に評価する

「Can」は、あなたが現在持っている能力や強みを指します。自分の強みを理解することで、現実的なキャリアプランを立てやすくなります。

スキル棚卸しの進め方
  • リスト化: 業務経験や培ったスキルを箇条書きにします。
  • 具体的な成果を挙げる: スキルが実際の業務でどのように活用され、成果を上げたかを明記します。
  • 他者評価を活用する: 同僚や上司から得たフィードバックも参考にしましょう。
深掘りの方法
  • 市場価値を確認する: 自分のスキルが現在の市場でどの程度求められているのかを調査します。
  • 自己の成長余地を分析する: まだ習得していないが、興味のある分野を明確にし、今後のスキルアップ計画に役立てます。
具体例

先ほどのWebマーケティング担当者の場合、次のようなスキルをリストアップしました

  • SEO戦略の設計・実行
  • Google Analyticsを活用したデータ分析
  • SNSマーケティング施策の立案・運用
    ※この方の場合、Canの洗い出しの中でプログラミングや高度なデザインスキルは弱点であることがわかり、今後埋めていくべき知識や経験も言語化できました。

Step 3: 自分の「Must」を洗い出す

「Must」は、組織や市場から求められていること、つまり需要。そして、その達成のために必要性のあるスキルや経験、知識などを意味します。自分が社会においてどのような役割を果たすべきかを考え、振り返ったWillやCanと照らし合わせます。

必要性の確認方法
  • 業界動向のリサーチ: 自分が属する業界や市場のトレンドを調べます。
  • 組織の目標を把握する: 現在の職場やチームが目指す方向性と、自分のスキルがどの程度一致しているか確認します。
  • 求められる能力のギャップを特定: 必要な能力と自分の現状との間にどのような差があるかを明確にします。
具体例

前述のWebマーケティング担当者の会社では「新しいSNSプラットフォームでの戦略構築」が急務とされています。これは彼のMustに該当しますが、現時点でその分野の専門知識が不足しているため、新たなスキル習得が急務であると分かりました。

Step 4: Will Can Mustでキャリアのバランスを確認

3つの要素を洗い出したら、これらを重ねてみます。重なった部分が理想の状態とも言え、今後目指していくべき姿とも言えます。

バランスチェックの方法
  • 共通点を探す: Will、Can、Mustが交差する部分が、現時点で最も注力すべき領域です。
  • 不足部分を補強する計画を立てる: 現時点の自身とギャップが大きい部分については、具体的なアクションプランを考えます。
具体例

前述のWebマーケティング担当者の場合、「Will」(コンテンツマーケティング専門家になる)、「Can」(既存のマーケティングスキル)、「Must」(SNS戦略強化)が比較的一致しています。ただし、SNSの新しいトレンドに対応する能力にギャップがあるため、ここを重点的に強化する必要があると判断しました。す。

Step 5: アクションプランの策定と実行

最後に、Will、Can、Mustの統合でわかった自身の目指していくべき姿を実現するために、具体的な行動計画を策定します。

アクションプランの構成

  • 短期目標: 直近3か月で達成可能な目標を設定します。
  • 中期目標: 1~2年で達成したい目標を設定します。
  • 長期目標: 3年以上のスパンで実現したい理想を描きます。

具体例

  • 短期目標: SNSマーケティングの最新トレンドを学ぶため、オンライン講座を受講する。
  • 中期目標: 新たなSNSプラットフォームで実践的なプロジェクトに取り組み、成果を示す。
  • 長期目標: 業界で認知される専門家として、自身のブランドを確立する。

まとめ

「Will Can Must」フレームワークを活用することで、キャリアの目標や現状を整理し、優先すべき行動を明確にできます。特に、3つの要素がバランスよく整っている状態を目指すことで、現実的かつ充実したキャリアパスを描けるようになります。具体例を交えて解説したように、この手法は理論だけでなく実践にも役立つフレームワークです。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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