RSU(制限付き株式ユニット)は、企業が社員に報酬として株式を渡す仕組みの一つです。最近ではスタートアップやIT企業などでよく利用される制度ですが、ストックオプションと何が違うのか、仕組みが少し難しく感じる方も多いかもしれません。
この記事では、RSUの基本的な仕組みとストックオプションとの違いについてわかりやすく整理してお伝えします。
RSU(制限付き株式ユニット)とは?
RSUは「制限付き株式ユニット(Restricted Stock Unit)」の略です。これは、会社が社員に「将来、条件が満たされたら株式をあげる」という約束をする仕組みです。たとえば、「3年間会社に勤めたら100株プレゼント」といった形です。条件をクリアするまでは株式をもらえないので「制限付き」という名前がついています。
実際に条件を満たして株式を受け取ることを「権利確定(ベスティング)」と言います。この仕組みは、社員が長く会社に働き続けるインセンティブ(やる気を起こさせる仕組み)として利用されることが多いです。
RSUのメリットとデメリット
メリット
- ・条件を満たすと確実に株式をもらえる。株式を買うためのお金は不要です。
- ・株式をもらった後は売却して現金化できるので、資産として活用できます。
- ・初期コストがないため、社員の金銭的なリスクが低いです。
デメリット
- ・株式をもらうタイミングで課税される可能性があります。
- ・株価が下がると、受け取った株の価値も下がります。
- ・条件が満たせないと株式をもらえないことがあります(例:会社を途中で辞めた場合)。
ストックオプションとはどう違うのか?
ストックオプションは、RSUと同じく「社員に報酬として株式を与える仕組み」ですが、具体的には以下のような違いがあります。
ストックオプションの仕組み
- ・一定の価格で会社の株を買う「権利」をもらいます。たとえば「1株100円で買える権利」などです。
- ・株価が上がった場合、安く買って高く売ることで利益を得られます。
違いをまとめると
RSUは初期費用がかからず、リスクが低いのが特徴です。一方、ストックオプションは株価が大幅に上がれば大きな利益を得られる可能性がありますが、株価が上がらなければ価値がなくなってしまいます。
RSUが選ばれる背景
近年、RSUを導入する企業が増えています。その背景には以下の理由があります。
- ・社員の金銭的負担を抑える
ストックオプションは株を買うための初期費用が必要ですが、RSUはその心配がありません。 - ・長期的な貢献を期待
条件を満たさないと株式がもらえないため、社員に長く働いてもらいやすくなります。 - ・制度がわかりやすい
RSUは「条件を満たしたら株式をもらえる」というシンプルな仕組みなので、社員にも理解されやすいです。
特にIT企業やスタートアップでは、優秀な人材を集めるためにRSUを活用するケースが増えています。
RSUを受け取った際に注意するべきポイント
RSUを受け取る際には、次の点に注意が必要です。
- ・課税タイミングを確認する
RSUは株式を受け取った時点で課税対象になる場合があります。受け取った株式が現金化しやすい状況なら問題ありませんが、そうでない場合は税金の支払いに注意が必要です。 - ・株価変動のリスクを理解する
株式は市場の状況によって価値が変わります。もらった時には高価だった株が、売却するタイミングで値下がりしていることもあるので、長期的な視点を持つことが大切です。 - ・会社の規定をよく読む
RSUには会社ごとに細かいルールがあります。たとえば、「退職後も株を保持できるのか」や「受け取り条件」など、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
まとめ
RSU(制限付き株式ユニット)は、会社が社員に報酬として株式を与える仕組みで、ストックオプションに比べてリスクが低く、わかりやすい制度です。この記事では、RSUの基本的な仕組みやストックオプションとの違いを整理し、それぞれのメリットとデメリットについて解説しました。これらの仕組みを正しく理解し、自分にとって最適な選択ができるようにしましょう。
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