面接でロジカルトークをするためのポイントと実践方法

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面接では、自分の魅力を効果的に、わかりやすく、端的に伝えるスキルが求められます。いわゆる「ロジカルさ」は、面接官に明確なメッセージを伝え、説得力を高めるために非常に重要です。この記事では、ロジカルトークを習得するための具体的なポイントと、実践的な方法について解説します。面接でのパフォーマンスを向上させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ロジカルトークとは?面接で求められるスキル

面接官はあなたの考え方や判断力を1時間程度の短時間で見極める必要があります。ロジカルトークとは、結論とその根拠を明確に示し、面接官に短時間で自身を理解してもらうためのスキルです。特に、最終面接の段階では、忙しい経営者や上級管理職が担当することが多く、ロジカルさの重要性はさらに増します。

ロジカルトークを身につけるためには、まず自分の主張をはっきりと理解し、それを相手に伝えるための論理的なフレームワークを構築する必要があります。これは単に自分の意見を述べるのではなく、その背景にある根拠やデータを適切に組み合わせることで、面接官に信頼感を与えるものです。

ロジカルの前に大切なこと:面接でのゴール、相手を理解する

ロジカルトークの詳細な説明の前に、理解しておきたいことがあります。面接の最大のゴールは「相手に合格と言わせること」です。一方で多くの応募者が、自己PRやスキルの説明に力を入れすぎて、面接官の知りたいことに焦点を当てた対話ができてないケースが見られます​。この問題を回避するためには、まず面接官がどのような情報を求めているのかを理解し、そのニーズに応じた答えを提供することが重要です。

たとえば、相手がどのような立場であなたと接しているのか想像してみてください。経営者、人事担当者、現場のマネージャーなど、それぞれが重視するポイントが異なります。経営者であれば、会社全体にとってあなたがどのような価値を提供できるかが重要視され、人事担当者であれば、あなたの人間性やチームフィットが求められるでしょう。相手の視点を考慮し、その期待に応える形で話すことが、面接の成功に繋がります。

ロジカルトークの基本:結論から話す

面接でロジカルに話すためには、結論から先に述べることが非常に重要です。多くの人が、自分の考えを説明しながら結論にたどり着こうとしますが、これは面接の場では逆効果になることがあります。相手が求めているのは、明確な結論と、それを支える根拠です​。

たとえば「なぜこの会社に応募したのか」という質問に対しては、まず「この会社が自分のキャリアに最適な成長機会を提供してくれるからです」と結論を伝え、その後に根拠を述べます。このように、まず結論を伝えることで、面接官に「何を話したいのか」がすぐに伝わり、話が長引くことによる混乱を防ぐことができます。

ピラミッドストラクチャーを活用した説得力のある説明方法

ロジカルトークの基本的なフレームワークとして、「ピラミッドストラクチャー」があります。これは、結論を最上位に置き、その下に3つの根拠を挙げるという話し方です​。この構造を利用することで、相手に分かりやすく、説得力のあるメッセージを伝えることができます。

面接官に「なぜあなたは転職を考えているのですか?」と聞かれたら、まず次のような構造をイメージします。

このように、結論とそれを裏付ける根拠を相互に連携させることで、面接官に対して一貫したストーリーを提供し、納得感を高めることができます。さらに上記図の下の階層にそれぞれの根拠を裏付ける事実を紐づけるとよりブレのない回答ができるようになります。

よくある間違い:結論が定まらず、伝えたいことが伝わらない

普段、お客様とコミュニケーションをとる営業の方でも面接では論理性に欠く話し方をしてしまうことがあります。実際にあった事例に近いものを記載してみます。

面接官
あなたはなぜ転職を考えているのですか?

応募者
はい。現職は再販業者故、担当商品をいかに売るかが重視されます。販売後のサポートやお客様の声を反映させた商品作りはメーカーが行うためより良いプロダクト作りなどに関わることは難しいです。自ら選び入社した現職ですが働くに連れその点に歯痒さを感じていました。さらに現職では上層部にサービス開発に力を入れようと働きかけていますが、再販業者としてのビジネスからの転換は時間がかかることがわかっていて、、、

面接官
「(結論から話してくれないかな、、)えーと、つまりプロダクトを作りたいがために転職したいということですかね?」

この例ではまず結論となる主張が最初になく、その根拠の羅列で主張に終始してしまいました。結果、面接官が先に言葉を拾ってまとめてしまいました。本人は相手が行間を読んで理解してくれていると思っていたようですが、かえって現職への不満が目立ち、印象が悪くなってしまいました。いつも営業をしている方でもこのような状況に陥るのが面接なのです。

情熱と論理のバランスを取る実践テクニック

ロジカルトークのイメージはできましたでしょうか?短い面接で自分のことをわかってもらうた目にとても重要なテクニックです。ただ、論理的であるだけで面接は合格できるものではありません。最終的に面接官の心を動かすには、あなたの「情熱」を伝えることも必要です。人間は論理で理解し、感情で行動を起こす生き物です。したがって、いくらロジカルに説明しても、そこに情熱や熱意がなければ、面接官の心を動かすことは難しいでしょう。

キャリアに対する思いや、転職を決意した理由を話す際には、表情や手振り声色で熱量を示し、あなた自身がその決断にどれほどの強い意志を持っているかを強調しましょう。こうすることで、面接官はあなたの話に引き込まれ、より深い理解と共感を得ることができます。

まとめ

ロジカルな話し方は、面接において非常に効果的なスキルです。まずは結論を先に述べ、ピラミッドストラクチャーを意識しながら根拠を提示し、相手に分かりやすく説得力のあるメッセージを伝えることが重要です。さらに、ロジックだけでなく、情熱や熱意を伝えることで、面接官の心を動かすことができます。これらのテクニックを習得し、面接でのパフォーマンスを向上させましょう。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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