
QBR(Quarterly Business Review)は、四半期ごとに顧客と実施する戦略的なミーティングです。単なる進捗報告ではなく、顧客のビジネス成長とSaaSの提供価値を結びつけ、次のアクションを決定する場となります。特にSaaS企業では、契約更新やアップセルの機会を生み出す重要なプロセスとして活用されています。
本記事では、QBRの基本的な流れや目的、成功のポイント、そして最新トレンドについて詳しく解説します。
Index
QBR(Quarterly Business Review)とは?基本の概要
QBR(Quarterly Business Review)は、四半期ごとに顧客と実施する戦略的な振り返りミーティングです。特にSaaS企業では、契約更新やアップセルの機会創出を目的に、多くのカスタマーサクセスチームが活用しています。
QBRの特徴
- ・四半期ごとに実施(企業によっては半年や年1回の場合もある)
- ・顧客のビジネス成長にフォーカス(単なる進捗報告ではなく戦略的な会話を行う)
- ・データに基づく議論(活用状況やKPIの達成度を確認)
- ・次のアクションプランを策定(具体的な改善策や活用方針を決める)
このように、QBRは単なる定例ミーティングではなく、顧客とSaaS企業が共に成長するための重要なタッチポイント となります。
SaaS企業がQBRを実施する目的

SaaS企業がQBRを実施する目的は、主に以下の3つに集約されます。
1. 顧客のビジネス成果の最大化
- ・SaaS導入後、顧客が期待する成果を得られているかを確認
- ・ビジネスゴールとプロダクト活用状況を照らし合わせ、次のアクションを提案
2. 契約更新率(リテンションレート)の向上
- ・SaaSの価値を実感してもらい、解約(Churn)リスクを未然に防ぐ
- ・企業の意思決定者に「このツールが不可欠」と認識してもらう
3. アップセル・クロスセルの機会創出
- ・新機能や上位プランが顧客の課題解決に役立つことを提案
- ・CSQL(Customer Success Qualified Lead) を生み出し、営業チームと連携
これらの目的を達成することで、SaaS企業は長期的な契約維持と収益最大化を図ることができます。
QBRの基本フォーマットと実施の流れ
一般的なQBRは、以下の5つのステップで構成されます。
1.イントロ(目的とアジェンダ確認)
- ・ミーティングのゴールを明確にする
- ・ポイント:事前にアジェンダを共有し、期待値を揃える
2.前四半期の振り返り
- ・SaaSの活用状況・KPIの進捗
- ・ポイント:ログイン頻度や利用機能データを活用
3.成功事例と課題の整理
- ・何がうまくいったか、何が課題かを明確化
- ・ポイント:成果を定量化し、解決策を議論
4.次の四半期の計画
・改善施策、新機能の提案
・ポイント:顧客のビジネスゴールと連携させる
5.クロージング(アクションアイテムの確認)
- ・次回QBRまでのタスクを決定
- ・ポイント:誰が何をいつまでにやるかを明確化
この流れをベースに、顧客ごとの課題やKPIに合わせてカスタマイズすることが成功のカギです。
QBRを成功させるためのポイント
QBRのクオリティを向上させるには、以下の3つのポイントが重要です。
1. データドリブンな振り返りを行う
- ・「感覚的な評価」ではなく、利用データやROIを活用
- ・活用すべきデータ例:利用率(DAU/MAU)、機能別の利用頻度、ROI(投資対効果)など
- ・「業務時間が◯%削減された」など、定量的な成果を提示
2. 主要なステークホルダー(決裁者)を巻き込む
- ・意思決定者(CXOやVPクラス)もQBRに参加させる
- ・経営層が「このツールは不可欠」と認識することで、長期契約や追加投資につながる
3. 次のアクションを具体化する
- ・「次回のQBRまでに◯◯を実施する」と明確なタスクを設定
- ・Slackやメールでフォローし、QBRの内容を日常業務に落とし込む
QBRの今後の進化と最新トレンド
最近は、GainsightやTotangoなどによるAIとデータの活用が進み、QBRがより高度化しています。
- ・GainsightのAI活用 → 顧客ごとに最適化されたQBR提案を自動生成
- ・Totangoのデータ分析 → ダッシュボードで成果をリアルタイムに可視化
まとめ
- ・QBRは四半期ごとの振り返りミーティング で、カスタマーサクセスにおける重要なタッチポイント
- ・契約更新率の向上、アップセルの促進、顧客の成功支援 という3つの目的がある
- ・成功のポイントは「データ活用」「決裁者の巻き込み」「具体的なアクション設定」
- ・今後はAI活用が進み、より高度なQBRが可能になる
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