年末年始は、1年を振り返り、次のステップに向けた準備を行う絶好の機会です。日々の業務に追われる中で、気づかないうちに自分の成果や成長が記憶から薄れてしまうことは珍しくありません。いざ転職やキャリアアップを考えたときに、具体的な実績を思い出せず困った経験がある方も多いのではないでしょうか。少し余裕が出る年末年始の時期。1年間の振り返りを行い、次年度の目標を設定することをおすすめします。
職務経歴書の見直しが必要な理由
職務経歴書は、転職活動の際だけでなく、自分のキャリア全般を考えるうえで重要なツールです。具体的な業務内容や成果を整理し、第三者に伝わる形で記録しておくことは、いざという時の準備にもなります。
しかし、1年分の成果やエピソードを振り返ろうとしても、時間が経過すると記憶が曖昧になりがちです。特に忙しい日々の中では、日常の業務に追われ、自分の成果を振り返る時間を持つのが難しいものです。
このような理由から、年末年始のまとまった時間を使い、自分の職務経歴書を更新する習慣を持つことをおすすめします。これにより、自分の強みや達成してきた実績を把握し、どのようなチャンスにも柔軟に対応できる準備が整います。また、この振り返りは自己成長を実感する貴重な機会にもなります。
1年の成果を振り返ってみる:「STAR法」の活用
振り返りを効率的かつ効果的に行うためには、実績を整理するフレームワークを活用するのがポイントです。ここでは「STAR法」を用いて、自分の成果を具体的に整理する方法をご紹介します。
STAR法の4つの要素
- S(Situation):状況
まずは、取り組んだ仕事やプロジェクトの背景を説明します。例:「新規顧客獲得を目標としたプロジェクトのリーダーに選ばれた」。 - T(Task):課題
次に、その状況下で自分が果たすべき役割や達成目標を明確にします。例:「1ヶ月で新規顧客5件の契約を締結すること」。 - A(Action):行動
実際に行った具体的なアクションを記載します。例:「顧客リストを精査し、ニーズに合わせた提案資料を作成。さらにWebセミナーを開催して見込み顧客を獲得」。 - R(Result):成果
最後に、行動によって得られた成果を記録します。例:「1ヶ月で7件の新規契約を獲得し、チームの売上達成率を120%に向上させた」。
このフレームワークを用いることで、自分がどのような状況でどのように行動し、どのような成果を上げたのかが明確になり、職務経歴書に説得力を持たせることができます。また、成功体験を言語化することで、自己肯定感やモチベーションの向上にもつながります。
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次年度の目標設定に:「SMARTの法則」の活用
振り返りが終わったら、それを踏まえて次年度の目標を設定しましょう。ここで活用するのが「SMARTの法則」です。この法則を取り入れることで、具体的で実現可能な目標を立てることができます。
SMARTの5つの要素
- S(Specific):具体的であること
目標を明確にし、曖昧さを排除します。例:「月3件の新規顧客を獲得する」。 - M(Measurable):測定可能であること
達成度が客観的に判断できる基準を設定します。例:「売上目標の90%以上を達成する」。 - A(Achievable):達成可能であること
現実的で、自分の能力やリソースに合った目標を立てます。例:「既存顧客の提案を改善して、クロスセルを増やす」。 - R(Relevant):自分のキャリアに関連していること
自分の成長や職務内容に直結した目標を意識します。例:「提案力を高めるため、月に1回ロールプレイングを実施」。 - T(Time-bound):期限を明確にすること
達成までの期限を設定することで行動を促します。例:「3月末までに新規契約10件を目指す」。
SMARTの法則に基づいて設定した目標は、自分の成長を実感しやすく、日々の業務の中で意識し続けることが可能になります。
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振り返りを効率化するための実践的なステップ
振り返りを効率的に行うためには、以下の5つのステップを実践しましょう。
- 1.年間の実績リストを作成する
手帳やカレンダー、メール履歴を見返しながら、1年間のプロジェクトや業務をリストアップします。
・手帳やスケジュールアプリで、主要な出来事を洗い出す。
・メールやチャット履歴から重要なタスクや成果を確認する。
・パフォーマンス評価や上司のフィードバックを参考にする。 - 2.実績をフレームワークで整理する
リストアップした内容を「STAR法」に基づいて具体化します。行動と成果をセットで記録することで、客観的なストーリーが完成します。 - 3.職務経歴書を更新する
STAR法で整理した成果を職務経歴書に反映します。簡潔に記載し、具体的な数値やキーワードを盛り込むことを意識しましょう。 - 4.来年の目標を設定する
SMARTの法則を活用して、キャリアに直結する目標を立てます。 - 5.振り返りを共有する
信頼できる上司や同僚と共有し、フィードバックをもらうことで新たな気づきを得られる場合があります。
継続的なキャリア磨きのための習慣化ポイント
振り返りを年に一度だけ行うのではなく、日々の業務に取り入れることで、さらなるキャリアアップが可能です。
- 定期的な振り返りを行う:月ごとや四半期ごとに小さな振り返りを行い、年末の負担を軽減する。
- 成果を記録するツールを活用する:スプレッドシートやタスク管理アプリを使い、日々の行動や成果を記録する習慣を作る。
- 成長を楽しむ視点を持つ:振り返りをポジティブな成長実感の機会として捉え、自分の進化を楽しむ。
まとめ
年末年始は、1年間の振り返りと職務経歴書の更新を行い、次年度の目標を立てる絶好の機会です。「STAR法」で成果を具体的に整理し、「SMARTの法則」を活用した目標設定を行うことで、キャリアの方向性を明確にすることができます。この習慣を取り入れることで、どのような転職のチャンスにも備え、自分の成長を楽しみながらキャリアを磨き続けることができます。
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