職務経歴書作成時、押さえておきたい「文章の書き方」があります。それが、敬体(〜です・ます調)と常体(〜だ・である調)の使い分けです。文章の統一感やバランスは、読み手に与える印象を左右する重要なポイントです。本記事では、敬体と常体の違い、それぞれの特徴、そして職務経歴書での正しい使い分け方について、具体例を交えながら解説します。
敬体vs常体:職務経歴書における言葉遣いの重要性
職務経歴書で意識したい言葉遣いには、「敬体」と「常体」の2種類があります。
敬体は「〜です」「〜ます」といった丁寧な表現を使ったものです。これに対し、常体は「〜だ」「〜である」といった、やや硬い印象を与える表現が特徴です。たとえば、次の例で印象の違いを確認してみましょう。
- 敬体:私は営業部で5年間、チームリーダーを務めました。
- 常体:私は営業部で5年間、チームリーダーを務めた。
この2つの表現、どちらが正解というわけではなく、状況や伝えたいメッセージによって使い分けるのが重要です。敬体は柔らかく、丁寧な印象を与える一方、常体は端的で簡潔に事実を伝えるのに適しています。職務経歴書で伝えたい情報が多い場合や、実績をシンプルにアピールしたい時には、常体の方が効果的なこともあります。アピールすべき情報が多い場合は、文章を常体にし、箇条書きにまとめるなどした方が読み手にとって親切とも言えます。
敬体と常体の選択が重要な理由
敬体を使うか、常体を使うかは職務経歴書の目的や読み手に応じて選ぶことが大切です。例えば、職務経歴書全体を敬体で統一することで、丁寧で礼儀正しい印象を与えることができます。特に、自分のスキルや経験をアピールする部分では、柔らかくて丁寧な表現が読み手に好感を抱かせやすいでしょう。
一方、常体は事実を端的に伝えるのに適しており、読み手に対して効率的に情報を提供できます。特に実績を並べる際には、簡潔にすることで読み手がスムーズに理解しやすくなります。また、箇条書きや短い文で実績や結果をまとめる場合にも、常体は非常に効果的です。
職務経歴書においては、敬体と常体を使い分けることが、より効果的なコミュニケーションを図るためのポイントになります。
文体の統一感が与える印象
敬体と常体を適切に使い分けることが重要とはいえ、一つの文や段落内で文体が混ざることは避けるべきです。例えば、以下のような文章では、文体の統一感が失われてしまっています。
- 「私は新しい営業手法を導入しました。これにより、売上が20%向上した。」
この例では、「導入しました」という敬体と「向上した」という常体が混在しています。文体が混在すると、文章全体に一貫性がなくなり、読み手に違和感を与えかねません。特に、採用担当者に対しては、文体の不一致が注意力の欠如や誤字脱字といった印象を与える可能性があります。
職務経歴書の中で文体を使い分ける場合でも、一つの文や段落内では統一することを意識し、読みやすさを保ちましょう。特に、自己PRや成果の記述では、どちらか一方に統一することで文章全体がスムーズに流れるようになります。自分の職務経歴書は大丈夫!と思っている方、もう一度見直してみてください。案外、混在した箇所があるものですよ。
敬体と常体を効果的に使い分ける方法
職務経歴書の中で、敬体と常体を使い分けるための具体的なポイントを以下にまとめます。
- 内容に応じて使い分ける:自己PRや経歴説明など、柔らかく相手に伝えたい部分では敬体を使用し、実績を箇条書きで並べる部分では常体を使うことで、バランスの取れた文章にすることができます。
- 文末表現に注意する:文の途中で文体が変わらないように、特に文末の表現に注意を払いましょう。文末の語尾が整っているかどうかで、文章全体の統一感が決まります。
- 一貫性を意識する:敬体と常体をどちらも使用する場合でも、一貫した文体を段落ごとに統一することが大切です。
- 文章作成ツールを活用する:特に長い文章や複数ページにわたる書類を作成する際には、文章作成ツールやAIを活用して文体の統一感を確認すると良いでしょう。
これらのポイントを意識することで、敬体と常体のバランスを上手に保ちながら、プロフェッショナルな職務経歴書を仕上げることができます。
まとめ
職務経歴書を作成する際には、敬体と常体の適切な使い分けが重要です。敬体は丁寧で柔らかい印象を与え、一方で常体は端的に情報を伝えることに向いています。文章全体の流れや内容に応じて、どちらの文体を使うべきか判断し、文体を統一することで、採用担当者に対してプロフェッショナルで一貫性のある印象を与えることができます。最終的には、書いた文章を見直し、文体が混在していないかを確認することが大切です。