今更聞けない!ストックオプション(SO)をわかりやすく解説

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ストックオプション(SO)は、特にスタートアップ企業で働く際に魅力的な報酬制度として注目されています。しかし、具体的にどんな制度なのか?果たして得なのか?わからない方も多いのではないでしょうか。本記事では、ストックオプションの基本的な仕組みから、実際にどのように利益を得ることができるのかを、わかりやすく解説します。これからスタートアップ企業でのキャリアを考えている方や、SaaS業界でのスキルアップを目指している方の参考になれば幸いです。

ストックオプションとは何か?

ストックオプション(SO)は、企業が従業員や経営者に対して、自社の株式を一定の価格で購入する権利を付与する制度です。この価格は一般的に「権利行使価格」と呼ばれ、付与時点の株価やそれ以下に設定されることが多いです。ストックオプションを行使することで、実際の市場価格との差額を利益として得ることが可能になります。これは、企業の成長と共に自分自身の報酬も増加する仕組みを作り出し、従業員のモチベーション向上に寄与するとされています。

例えば、あなたが航空会社の会員で、特別に「いつでも一定の価格でプレミアム席にアップグレードできる権利」をもらったとします。通常の価格であればプレミアム席は10万円するところを、あなたはその権利を使って6万円でアップグレードできます。もしその便が人気になり、プレミアム席の価格が15万円に上がっても、あなたは6万円でその席を利用できるため、9万円の得をします。ストックオプションも同様に、将来の株価が上がることを期待して、現在の固定価格で株を買う権利を持つという仕組みです。

ストックオプションの種類と特徴

ストックオプションには主に2つの種類があります。「無償ストックオプション」と「有償ストックオプション」です。無償ストックオプションは、権利行使時に購入費用が発生せず、さらに税制適格と非適格に分類されます。税制適格ストックオプションは、税務上の優遇措置が受けられ、非適格ストックオプションはその対象外です。有償ストックオプションでは、権利行使時に一定の費用が発生しますが、株価の上昇による利益が得られやすくなります。企業の状況や自身の財務計画に合わせて、どのタイプを選ぶかが重要です。
少しわかりづらいですね。以下のように例えてみましょう。

  • 無償ストックオプション: これは、コンサートの無料招待券のようなもので、特定の条件を満たすと無料でコンサートに参加できる権利が与えられるイメージです。ただし、税制適格(特典付きの招待券)を選べば、コンサートのチケットをもらった上に、飲食券などの追加特典も得られるような感じです。非適格(通常の招待券)であれば、チケットはもらえるけれど追加の特典はなく、その場の楽しみにとどまります。
    ※税制適格のストックオプションを「税金優遇付きの割引券」と考えれば理解しやすいでしょう。優遇があるため、利益が出たときの税負担が軽くなります。たとえば、特別に税金の一部が免除されるクーポンといったイメージです。一方、非適格ストックオプションは通常の割引券に近く、割引は受けられるものの、税金の優遇はなく、利益が出た場合はそのまま税金がかかる、といった感じです。
  • 有償ストックオプション: これを、プレミアムなディナーショーの割引券と考えてみてください。割引券を使うには、通常の価格の一部を支払う必要がありますが、その分、ショーの内容が豪華で、楽しむ価値があると感じられるイベントです。たとえば、通常1万円のディナーショーが5千円で楽しめる割引券のようなものです。コストはかかるものの、価格以上の価値が期待できるときにこの選択が魅力的になります。

ストックオプションで利益を得るには?

ストックオプションで利益をするためには、そもそもこの制度を導入している企業に転職する必要がありますが、それを前提にすると、まず企業の成長ポテンシャルを見極めることが必要です。企業のビジネスモデルや市場の動向、競合他社の状況などを調査し、今後の成長性を考察してみましょう。また、権利行使のタイミングも重要です。株価が上昇している時期を狙って権利行使を行うことで、より大きな利益を得ることができます。さらに、税制適格ストックオプションを選ぶことで、税負担を軽減し、利益を最大化することが可能です。そして何より転職したご自身がその会社の利益成長に貢献できるのか?も大切です。

ストックオプションのリスクと注意点

ストックオプションにはリスクも伴います。株価が権利行使価格を下回った場合、オプションを行使しても利益を得ることができない可能性があります。また、ストックオプションを付与された企業が業績不振に陥った場合、オプションの価値自体がなくなるリスクもあります。さらに、税制非適格ストックオプションを選択した場合、権利行使時に大きな税負担が発生することがあるため、注意が必要です。これらのリスクを理解し、計画的にストックオプションを活用することが重要です。

まとめ

この記事では、ストックオプションの基本的な仕組みから、実際に利益を得るまでを解説しました。ストックオプションは、スタートアップ企業での大きなインセンティブとなり得る制度ですが、その効果を最大化するためには、企業の成長性を見極め、リスクを管理し、賢く活用することが求められます。これからスタートアップでのキャリアを考える方や、SaaS業界でスキルアップを目指す方は、ストックオプションの仕組みをしっかりと理解し、自分自身のキャリアに役立ててください。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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