リーダー[候補]にマネジャー[候補]。求人票によくある〜候補募集の意味と本音

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求人票に書かれた「リーダー候補」や「マネジャー候補」といった言葉を目にしたことはないでしょうか?しかし、これらの「候補」という表現が何を意味するのか、また実際にどういった意図で使われているのかを理解している人は少ないと思います。本記事では、「〜候補募集」が持つ意味や企業の本音について深掘りし、転職希望者が適切なキャリア選択をするためのヒントを提供します。

「〜候補募集」とは?一般的な解釈

「リーダー候補」や「マネジャー候補」という表現は、多くの求人票で目にすることができますが、その意味は明確ではないことが多いです。一般的に、「〜候補」という言葉がつく場合、それは入社後一定の成果を上げた後、リーダーやマネジャーといった役職に昇進する可能性があることを示唆しています。この期間は一般的に1〜2年、早くて半年程度程度とされ、企業が内部でのキャリアパスを提供する意図を持っていることを暗示しています。即戦力としてのスキルや経験だけでなく、長期的な成長や貢献も期待していると考えられます。

企業による昇格温度感の違い

一方「〜候補」募集は、企業によって温度感や実際の昇格期間が異なることがあるようです。例えば、急速に成長しているスタートアップやSaaS企業では、比較的昇格が早いケースが多い一方で、大企業や中堅企業では、社内での昇進プロセスが厳格であるため、即座に役職に就くことは難しく、まずは「候補」として採用し、社内文化や業務に適応できるかをじっくり見極めるケースが多いです。このように、企業の規模や文化、業界、歴史などにによって「〜候補」の昇格に対する温度感が異なる場合もあることを理解しておくことが重要です。

「候補」という言葉を使う企業の本音

企業が「〜候補」という言葉を使う背景には、他にもいくつかの理由があります。まず、パラシュート型人事、つまり外部から即戦力の管理職を採用してうまくいかなかった際のリスクを避けたいという考えがあります。新しい環境に適応し、チームをリードするには時間がかかることが多いため、まずは候補として採用し、内部での評価を経てから昇進を考慮するという考えです。SaaS企業でもこの考えを取り入れている企業は多いように思います。また、「〜候補」という言葉は優秀な人材を引き寄せるために、キャリアパスの可能性を示唆することで、将来的な成長と役職を約束するアピールの一環として使われることもあります。このように、企業は「候補」という言葉をリスク管理と人材確保の両面で利用していることもあります。

実際のところ、役職付きでの転職は難しい?

役職付きでの転職は、その役職にふさわしいスキルセットや経験、リーダーシップ能力が求められるため、難易度が高いことは否めません。特に、新しい環境での適応力や文化フィットも重要視されるため、即戦力としての役職採用は受け入れ側にもリスクが伴います。そのため、企業はまず「候補」として採用し、適性や実績を見極めることで、ミスマッチを避けようとするのです。ただし、特殊なスキルや豊富な経験を持つ場合は、例外的に即役職付きで採用されるケースもあります。逆に言えば、「候補」としての採用は、最初から役職に就くのではなく、まずは実力を証明するステップを踏むことで、確実な昇進を目指すためのチャンスと捉えることもできます。

候補募集を見た際の判断基準とポイント

「リーダー候補」や「マネジャー候補」という表現が求人票に記載されている場合、その企業がどのような期待を持っているのか、いくつかのポイントを押さえて判断することが重要です。まず、その企業の規模や業界、組織の成長ステージを調査し、どの程度の早さで役職に就く可能性があるのかを理解すること。また、求人票に記載されている具体的な職務内容や求められるスキルセットを確認し、自分がそのポジションにふさわしいかどうかを自己評価することも大切です。さらに、面接の際には企業側の昇進プロセスやキャリアパスについて具体的に質問し、期待される役割や昇進の見通しについてクリアにしておくことが、ミスマッチを防ぐための鍵となります。これにより、自分のキャリアビジョンと企業の方針が合致しているかを確認できます。迷った際は転職エージェントからの第三者意見を聞いてみるのも良いでしょう。

まとめ

「リーダー候補」や「マネジャー候補」という求人票の表現、企業側の本音や意図を理解すると活動もしやすくなると思います。企業による温度感の違いを把握し、「候補」という表現の裏にある昇進プロセスや成長の機会を見極めることで、より適切なキャリア選択が可能となります。この記事を通じて、「〜候補募集」を正しく理解し、自身のキャリアパスに合った選択をする一助となれば幸いです。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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