飲食店で、ご自身のスマートフォンから注文をする「モバイルオーダー」経験をしたことをある方は多いと思います。株式会社ダイニーは、そんなサービスを提供するSaaSスタートアップ。日本の外食産業に革新をもたらすべく、飲食店向けに「ダイニーPOSレジ」「ダイニーモバイルオーダー」「ダイニーキャッシュレス」などのサービスを提供しています。つい先日2024年9月には、シリーズBラウンドで74.6億円の資金調達を成功させ、SNSでも話題になりました。本記事では、ダイニーのビジョンや成長戦略、外食産業への挑戦を掘り下げ、その将来性と注目すべきポイントを解説します。
ダイニーのビジョン:外食産業を変革するデジタル革命
ダイニーは「“飲食”をもっと楽しく おもしろく」というミッションと「すべての人の飲食インフラになる」というビジョンを掲げています。この背景には、外食産業における慢性的な課題—人手不足、業務の煩雑さ、売上管理の難しさなどの課題があります。世界に誇れる日本の食に関わるこの領域をより良い世界にするため、ダイニーは複数のテクノロジーを提供しています。
注目すべきは、飲食店のバックエンド業務だけでなく、顧客の体験までをトータルで改善する点です。POSレジ、モバイルオーダー、キャッシュレス決済といった異なるツールがシームレスに連携し、業務効率化と顧客満足度の向上を同時に実現しています。
今後はオーダーからテーブルマネジメント、顧客管理、ファイナンスやタレントマネジメントなどを包括した「All in One Restaurant Cloud.」の構築で、飲食業界と顧客全体を巻き込んだ「デジタル革命」を進めていく予定です。
現時点で提供しているサービスは以下の3つ。
1.ダイニーモバイルオーダー:顧客体験の進化とリピーター創出
「ダイニーモバイルオーダー」は、顧客がスマートフォンを使って直接注文できるシステムです。従来の飲食店では、注文の待ち時間や会計の煩雑さが顧客のストレスとなることが多かったですが、モバイルオーダーはそれらを解消し、スムーズな体験を提供します。
また、利用と同時に自動的に蓄積される顧客データを活用することで、店舗は個々の顧客にパーソナライズされたサービスを提供できるようになります。これにより、リピーターの獲得や顧客単価の向上が期待できます。店員に投げ銭ができる「推しエール」機能などユニークな機能も。
2.ダイニーPOSレジ:飲食店の効率化を支える基盤
「ダイニーPOSレジ」は、飲食店のあらゆる業務を一元管理するシステムであり、店舗運営の効率化に大きく寄与しています。このシステムでは、注文、在庫、売上、顧客情報などが全て連携されて管理されるため、ミスやロスが減り、業務の精度が向上します。また、ダイニーの他のサービス(モバイルオーダーやキャッシュレス決済)と連携することで、顧客情報をリアルタイムで反映できる点が大きな強みです。
さらに、売上分析の機能により、飲食店は売れ筋メニューの把握やシフト調整など、データに基づいた経営判断を行うことが可能となります。これにより、業務効率化のみならず、収益性向上にも大きく寄与しています。
3.ダイニーキャッシュレス:飲食店特化の低コスト決済サービス
「ダイニーキャッシュレス」は、先日2024年9月に発表されたばかりのサービスです。飲食店の経営者が抱える高い決済手数料への悩を解決するために設けられたサービスです。多様な決済方法に対応するだけでなく、初期費用0円/月額費用0円の低コスト運用や顧客の決済データを分析したマーケティング活用などもできます。
プレスリリース
ダイニー、飲食店に特化した決済サービス「ダイニーキャッシュレス」を提供開始
代表のビジョンとストイックな姿勢:ダイニーの成功を支える要素
ダイニー代表の山田真央氏は、東京大学に入学後、数社のインターンを経て、在学中に起業、その後、大学を中退。20代の頃から日本という国を変革させたいと高いモチベーションを持つ若者でした。総理大臣を目指し、国会議員秘書のインターンを行っていた過去や起業当初はGovTechに挑戦するなど、日本の変革に対する意欲の強さの高い経営者だと言えます。様々な経験をした後、飲食業界のポテンシャルと課題に辿り着き、「ダイニー」を創りました。
山田氏は、単なるスタートアップ経営者としての成功を目指しているのではありません。彼の真の目標は、外食産業を通じて、日本の経済を再び活気づけ、グローバル市場において競争力を高めることにあります。単に技術を提供するだけではなく、外食産業全体にイノベーションをもたらし、その結果として日本経済全体の再興に繋がることを目指しています。
また、彼の視点は、日本国内にとどまりません。グローバルな視野を持つ山田氏は、海外の投資家や市場関係者と積極的に対話を重ね、自身の事業を世界基準で評価できるようなスタンダードに合わせてきました。こうした国際的な視点を持ちながら、彼は日本の外食産業を世界に誇る産業へと育てるという大きな目標を掲げています。
まとめ
株式会社ダイニーは、「ダイニーPOSレジ」「ダイニーモバイルオーダー」「ダイニーキャッシュレス」といった革新的なソリューションを提供し、飲食業界のデジタル化を進めています。今回のシリーズB資金調達により、さらなる成長が期待され、特にグローバル市場への進出も視野に入れています。また、山田代表のストイックなリーダーシップと明確なビジョンが、ダイニーの成功を支える大きな要因となっており、今後の展開に注目が集まっています。日本が世界に誇る食と産業の活性化とても楽しみです。ぜひ次のユニコーン、デカコーン企業を目指してほしいですね。