SaaSセールスパーソンが抑えておきたいSPINセールスとチャレンジャーセールス

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SaaS業界のセールスパーソンにとって、効果的なセールス手法を理解することは非常に重要です。様々な手法がこれまで産まれていますが、その中でも、「SPINセールス」と「チャレンジャーセールス」は書籍も発売され、今も受け継がれるセールスの王道ともいえる手法です。本記事では、これらの手法の概要と、SaaSビジネスでの活用方法について詳しく解説します。

SPINセールスとは? 代表的なフレームワークとその概要

SPINセールスは、顧客の問題を深堀りし、解決策を提案することで成約に導く手法です。特に高額なB2B商材に適しており、SaaS業界でも広く活用されています。2009年12月に『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』として、ニール・ラッカムの著書も発売されています。

SPINの4つの質問

SPINは4つの質問タイプ「SPIN」を効果的に使用して顧客ニーズを引き出し、大型案件の成約率を高める方法を詳しく解説しています。具体例とともに見ていきましょう。

  • S(Situation: 状況質問)
     顧客の現状を理解するための質問です。SaaSセールスで例えると、「現在のプロジェクト管理ツールはどのようなものを使っていますか?」など、顧客の環境を把握する質問がこれに当たります。
  • P(Problem: 問題質問)
     顧客が抱える課題を引き出すための質問です。例えば「現在のツールでどのような点に不満を感じていますか?」と尋ね、顧客の潜在的な問題を表面化させる際に使用します。
  • I(Implication: 示唆質問)
     課題が解決されない場合の影響を明確にする質問です。「その問題が解決しない場合、プロジェクトの進行にどのような影響がありますか?」と、リスク認識を高めるのが狙いです。
  • N(Need-Payoff: 解決後の利益質問)
     解決策がもたらす利益を強調する質問です。「問題が解決すれば、どの程度業務が効率化すると考えていますか?」といった質問で、ポジティブな結果を描かせます。

チャレンジャーセールスとは? 顧客を「挑戦」させる手法の特徴

チャレンジャーセールスは、顧客に新しい視点を提供し、彼らの考え方を「挑戦」させる手法です。顧客に対して、ただニーズを聞き取るのではなく、顧客が気づいていない問題や機会を指摘する手法です。こちらも2013年10月にマシュー・ディクソンとブレント・アダムソンの著書『チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」』が発売されています。

5つのセールスパーソンタイプ

チャレンジャーセールスでは、セールスパーソンを5つのタイプに分類します。その中でも、チャレンジャー型が最も成果を上げるとされています。以下は各タイプの特徴です。

  1. リレーションシップビルダー
    信頼関係の構築に重点を置きますが、成果が出るのに時間がかかる場合があります。
  2. ハードワーカー
    努力を惜しまず、量で結果を追求しますが、顧客の深い問題には気づきにくい傾向があります。
  3. ローンウルフ
    自己流で独立して行動しますが、一貫性に欠けることがあります。
  4. 問題解決型
    顧客の問題に素早く対応し、解決策を提供することに長けていますが、提案の幅が狭くなることも。
  5. チャレンジャー
    顧客に新たな視点を提供し、従来の考え方に挑戦させるタイプです。顧客にとって耳の痛いことも伝え、最終的には業績向上に貢献する提案を行います。

チャレンジャーセールスの実践:成功のための3ステップ

チャレンジャーセールスが成功するためには、以下の3つのステップが重要とされています

  • Teach(教える)
    顧客に新しいインサイト(洞察)を提供し、価値ある情報を教えます。SaaSセールスで例えるなら、「競合他社がどのように新しいツールを活用しているか」を示すことで、顧客に新しい視点を与えます。
  • Tailor(調整する)
    顧客のニーズに合わせて提案をカスタマイズします。たとえば、顧客の業界や課題に応じてソリューションを調整します。
  • Take Control(主導権を握る)
    セールスのプロセスをリードし、購買決定を促します。SaaSでは、トライアル版の提案や契約の決断を促すタイミングが重要です。

SaaSセールスにおけるSPINとチャレンジャーの活用方法

SPINとチャレンジャーを組み合わせることで、SaaS業界でもより効果的なセールスを展開できると言われています。

SPINの活用方法
SPINセールスは、顧客の課題を詳細に引き出し、解決策を提示する際に有効です。特に、顧客が自覚していない問題を浮き彫りにすることで、商談を進めやすくします。

チャレンジャーの活用方法
チャレンジャーセールスは、特にSaaSの新しい技術やトレンドを踏まえた提案を行う際に効果的です。顧客が従来の手法に固執している場合、新たな視点を提供し、従来の考え方を変えるよう促すことで、セールスを加速させることができます。

まとめ

本記事では、SaaSセールスにおいて重要なSPINセールスとチャレンジャーセールスの違いとそれぞれの強みについて解説しました。SPINセールスは顧客の課題を引き出し解決策を提示するためのフレームワークであり、チャレンジャーセールスは顧客に新たな視点を提供し、挑戦させることで購買意欲を引き出す手法です。これらの手法を組み合わせることで、SaaS業界でのセールス活動をより効果的に進めることができます。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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