SSPMとは?SaaSセキュリティ対策に不可欠な理由と導入ポイント

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SaaSの普及により、企業が利用するクラウドアプリケーションの数は急増しています。しかしその一方で、SaaSの設定ミスやアクセス制御の不備がセキュリティリスクを高めているのも事実です。こうした背景から注目されているのが「SSPM(SaaS Security Posture Management)」です。本記事では、SSPMの基本概念から、導入のメリット、選定時のポイントまでを分かりやすく解説します。

SSPM(SaaS Security Posture Management)とは何か

SSPMとは「SaaS Security Posture Management」の略で、企業が利用するSaaSアプリケーションのセキュリティ状態を継続的に監視・管理するソリューションです。

具体的には、ユーザー権限、データ共有設定、ログインポリシーなどの設定が正しく構成されているかをチェックし、リスクの可視化と是正を行います。従来のネットワーク境界を守るセキュリティ対策とは異なり、SaaSという「外部サービス」に対するセキュリティ管理に特化した新しいアプローチです。

なぜ今SSPMが必要とされているのか

SaaSの活用が進む中で、従業員が業務効率のために自由にツールを導入する「シャドーIT」や、意図しないデータ共有などが大きな課題となっています。

さらに、各SaaSごとにセキュリティ設定が異なるため、統一的な管理が難しく、人為的なミスがリスクにつながりやすいのです。こうした背景から、SaaS利用のセキュリティガバナンスを確立する手段として、SSPMが急速に注目されています。

SSPMがカバーする主なセキュリティリスク

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SSPMが対象とする主なリスクには以下のようなものがあります。

・不適切なユーザー権限設定(例:退職者アカウントが有効のまま)
・データ共有の設定ミス(外部に公開されているファイル)
・MFA(多要素認証)の未設定
・アクセスログの未監視

これらは一見すると些細な設定ミスですが、情報漏洩や不正アクセスの入口となり得るため、SSPMによる可視化と自動修正が重要です。

SSPMツール導入のメリットと活用事例

SSPMツールを導入することで、セキュリティ設定の統一的な管理、リスクの自動検出、対応の自動化が可能になります。

たとえば、ある国内のSaaS企業では、退職者アカウントの放置リスクをSSPMで発見し、システム的に自動削除する運用に移行しました。これにより、従来の人手による運用ミスを防ぎ、管理効率が大きく向上しています。

SSPMツール選定時に押さえるべきポイント

SSPMツールを選ぶ際は、自社で利用しているSaaSアプリへの対応状況が最も重要です。

・Google WorkspaceやMicrosoft 365、Salesforceなど、主要なSaaSとの連携可否
・リスクの検知ロジックが最新であるか
・操作性が高いUI設計
・セキュリティチームとの連携がしやすい通知機能
・無償トライアルを活用した事前検証の可否

複数SaaSをまたぐ環境でも柔軟に対応できるツールを選ぶことで、継続的なガバナンス体制の構築が可能となります。

まとめ

本記事では、SaaSアプリケーションのセキュリティリスクに対処するためのソリューション「SSPM」について解説しました。

SaaSの普及とともに、セキュリティガバナンスの重要性が増す中、SSPMは企業にとって不可欠なツールとなりつつあります。導入を検討する際は、自社の利用状況に適したツール選定を心がけましょう。

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青山 俊彦

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