転職の前に一時停止

転職活動は内定が出たところがゴールではないです。何故ならば、その後に退職活動があるからです。

この仕事をしていると内定辞退というのは絶対にあると思います。なるべく起こらないように、事前に本気度が高いのかどうかを確認していますが、どうしても数%の確率で起こります。

  • そもそも本気ではなかった。
  • 練習のつもりだった。
  • 選考を受けるうちに迷いだした。
  • 他者の同意が取れなかった。
  • 所属企業に止められた。

と辞退理由は様々です。最初の2つは見切れなかった僕の責任。真ん中は仕方ないです。ただ、最後の2つ「他者の同意が取れなかった」「所属企業に止められた」は最初の段階でかなり気をつけて判断をするようにしています。

面談の初期段階は、ご相談者様のお気持ちはネガティブなケースが多いです。大体の方がそうですので全然悪いことではないです。
ただ、冷静に見てみると「それ、解決方法は転職なんですか?」という場合も多いような気がします。たまたま言われた上司の一言で衝動的に転職しようと思っただけだったり。

全員がそうではないですが、辞退をする方は普段からまわりに相談したり、愚痴を言う仲間がいなかったり、憂さ晴らしをする機会を持っていない場合が多い気がします。
同期がいない、同年代がいない、上司が食事にも飲みに誘ってくれない、陰口が絶えない、仕事に有益な情報ではなく変な噂ばかり流れてくる、外部との接点が無いので社内しかしらない…こうなると苦しいですね。
で、思い立って転職相談にきて、内定を取る。会社に報告する。止められて今まで接点が少なかったことを詫びられて思いとどまる。これってもっと先になんとかならなかったのかなと思います。所属会社の方のちょっとした気配りで、防げる転職って結構多い気がします。

僕のヒアリング項目で、「仕事をする上で尊敬できる方っていますか?」というものがあります。答えは正直なんでもいいと思っていますが、尊敬できる方がその方の会社の方で、かつご本人様の転職必要性が少ないかな?と思った時は「その方に相談したことはありますか?」と聞いています。会社の方に悩みを打ち明けたりするのって結構ハードル高いですが、やってみて損は無いのかなと思います。そこで、ロクなアドバイスも無ければ、心置きなく動けばいいです。

この間もこれで転職を思いとどまった方もいました。キビキビ仕事はこなし、定時に帰る子持ちの先輩がいて、ずっと尊敬していたそうです。ただ、普段の仕事の集中ぷりが怖くて話しかけづらかったようですが、勇気を振り絞ってお昼に誘ったらものすごい親身に相談にのってくれ、今ではなんでも相談できる間柄になったそうです。よかったですね。

あと、家族の同意です。これは意外と重いです。ご結婚されている方、これからご結婚される方、お子様をお持ちの方、もうすぐお子様ができる方も20代にはいらっしゃいます。ライフステージの変化は転職を意識するきっかけになりやすいです。
またご家族と同居していて、親御さんが意思決定に大きな影響を与え続けてきた方も結構います。片親で所得の面でご自身の意思決定が家計に大きな影響を与える方も。

これは、僕らエージェントでは踏み込めない領域です。自分の人生ですけど、自分だけではどうしようもない場合があって、そこんところを振り切ってまでできる転職ですか?というのは最初にガッツリ話さないとダメだなと思っています。

転職させてご家族まで不幸にするような鬼畜にはなれませんし。

カノープス株式会社 青山

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この記事を書いた人

青山 俊彦のアバター 青山 俊彦 カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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