おかげさまで弊社カノープスは10期目を迎えることができました。
2014年の11月に法人登記をして、翌年4月に紹介免許取得。うまくいくかわからないけどやるしかないという謎の熱意に溢れていたあの頃から10年目。
「10期目すごいよね」
と友人に言われました。すごいだろ!えへん!、、、とは1mgも思っていません。微塵も思っていない。
すごくないと思うのはなぜか。理由は2つあります。
一つ目。それは自分が何のスペシャリストにもなっていないから。
10年仕事を続けることは一つの目標ではありましたし、その目標はおそらく達成できそうです。それをすごいと言ってもらえるのは嬉しいですし、会社をここまで継続するために相応の努力をしてきたつもりです。
ただ、最近思うのです。「あれ?結局10年近くやってなれたのって、同じような毎日を繰り返して疲弊しているだけのおじさんでは?」と。
毎日スカウトDBと睨めっこし、メールを書き、お客様を紹介し、うまくいけば喜び、うまくいかなければ落ち込み、、、の繰り返し。一喜一憂がぴったり。何か進歩しているわけではない。特別な存在になれてはいない。
今の僕がやっていることと同じこと、あるいはそれ以上ができる若く優秀なエージェントさんはどんどん市場に参入しています。その方々と僕はこの先ずっと同等レベルで戦えるのか?答えはNOです。
10年あれば自分だけのスペシャリティが形成できたはずです。
お客様からも、「一生懸命」「丁寧」「良い人」という評価をいただくケースが多いです。これもとても光栄で嬉しいですが、スペシャリティの評価ではありません。誰でもできることを当たり前にやってきた結果です。すごくはない。
また、もう一つすごくないと思っている理由はなにか。それは、僕が現状維持バイアスにかかっているからです。
起業するような人間がと思われるかもしれませんが、今僕は日和っています。少し生活が安定してきたからかコンフォートゾーン(いまのままでいい)に落ち着いてしまっています。
起業から数年は売り上げが上がらず正気を保つのが大変なくらい辛かったです。そんな経営状態も丁寧に仕事を進める中で少しづつ安定してきました。また、一人経営はリスク回避がしやすい面もあります。最悪の場合自分の役員報酬も含めたあらゆるコストを削り取れば窮地をしのぐことは容易です。コロナ禍だって結局赤字にはならず乗り越えられました。
ただ、そのようなコンフォートゾーンに入れることを一度知ってしまうと、気付かないうちに意欲や闘争本能が削られていきます。「今のやり方でうまくいってるから大丈夫。まだ大丈夫。あと2-3年は大丈夫かな、、、? 贅沢しなければいい。家族が生活できて、たまに釣りもできて今のままでいいじゃないか」と考えるようになっていきます。
なんとか現状維持をして逃げ切ろうとしている自分。全然すごくない。格好良くない。もっと上に上に、もっと会社をこういう存在にしたいという意欲があれば、今とは違う自分が存在していたはずです。
余談になりますが、僕には10年以上お酒をご一緒させていただいている知人がお二人います(二人とも結構すごい人なので恐れ多くて友人とは言いづらく知人とします)。一人は会社を上場まで導いた凄腕で同年代。もう一人は過去アライアンスを組んで仕事をしていたこともある年下の男性。こちらの方は自身でスタートアップを立ち上げ売却されるところまで経験されています。
10年前と今。二人とも変わらず優しく僕の話を真剣に聞いてくれますが、一度二人だけの会話になると「ああ、見ている景色が違う。時間の過ごし方と経験が僕のそれとレベルが違う、、、」と感じます。
僕が「今で幸せ満足」と成長を止めている間に二人はものすごい過酷な挑戦をし、世の中に誇れる実績を残している。自分は何をしていたのか。
「仕事は及第点、一生懸命ではあるけど、それ以上でもなく、現状維持で満足しているおじさん」
これが今の僕です。全然すごくない。すごいと言われるとむしろ辛い。会社員の方で輝いている人のが多いです。
、、、と愚痴っぽくなりましたが、課題は明確とも言えます。いまSaaSビズサイドでの採用支援が業績の90%に到達しています。ただこれだといくらでもライバルがいます。次のやるのはさらにこの領域で尖った実績と打ち出しをしていくことだと考えています。
「一生懸命やってくれる」×「あの領域はまずカノープスの青山さんに相談」とならなければです。
また、ここからは年齢との勝負でもあります。ずっと手をつけていなかった採用も考えなければいけません。その方法も自分をアシストしてくれる人をお招きして個人の活動を最大化するのか?組織にするのか?いろいろな方法があります。
それともこのまま現状維持をしてどこかで清算して終わりにするか?この5年-10年でなんらかの決断をすることになりそうです。
ぐだぐだと長くなりましたが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
※ちなみに写真は3連休の中日に江戸川放水路から出船する釣船から撮った朝日です。結構自信満々で釣りにいったのですが、僕だけ1匹も釣れませんでした。前の成功体験が通じるほど甘くねえぞって海や魚からも言われているような気がしますね笑
カノープス株式会社 青山cano-pus.com