PMFとGTMの違いとは?SaaS業界転職前に知っておくべき基礎知識

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SaaS業界の転職を考えている中で、PMF(Product-Market Fit/製品市場適合)やGTM(Go-To-Market/市場投入戦略)と言う言葉を聞いたことはないでしょうか?しかし、これらの言葉を明確に理解している方は少ないかもしれません。本記事では、PMFとGTMの違いについて解説します。

1. SaaS製品開発の基本プロセス:アイデア検証からPMFへ

SaaS製品の開発プロセスは、アイデアの検証から始まり、MVP(Minimum Viable Product)の開発、そしてPMF(Product-Market Fit)へと進むのが一般的です。初期段階では、顧客の課題を特定し、それに対する解決策を検証します。その後、必要最小限の機能を備えた製品(上記のMVP)を開発し、早期に市場からフィードバックを収集します。このフィードバックを基に製品を改善し、最終的にPMFを達成します。

2. PMFとは?成功の基準と具体的な指標

では、PMF(Product-Market Fit)とはなんでしょうか?製品がターゲット市場のニーズに完全に適合している状態を指します。具体的な成功の指標としては、アンケート調査でプロダクトに対する信頼性や愛着心を測るNPS(Net Promoter Score)や顧客の利用継続率、解約率の低下などがあります。PMFを達成することで、製品は自然と口コミで広がり、顧客のリテンションが高まります。PMFの達成は、製品の強力な市場適応力を示すものであり、プロダクト成功への大きな一歩とも言えます。

3. GTM戦略とは?市場での成功をどうつかむか

では、GTM(Go-To-Market)戦略とはなんでしょうか?GTMとは製品が市場に投入される際の戦略全般を指します。GTMは、必ずしもPMF達成後にのみ適用されるわけではなく、PMFを目指す過程でも取り入れるべき重要な要素です。GTM戦略には、ターゲット市場の選定、価格設定、チャネル戦略、プロモーション戦略などが含まれます。これらを効果的に展開することで、製品は市場での競争力を強化し、顧客基盤を広げることができます。

4. PMFとGTMの違いを具体例で解説

PMFとGTMはどちらも製品の成功に不可欠ですが、ここまで読んでみてもその違いはよくわかりませんね。PMFとGTMはどちらも製品の成功に不可欠ですが、それぞれ異なる役割を果たします。PMFは「顧客が本当に必要とする製品を作ること」に焦点を当て、GTMは「その製品をいかにして市場に浸透させるか」に注力します。これらの違いを理解することで、製品開発と市場投入の両面で成功を収めるための戦略を立てることができます。

5. PMFとGTMの具体例

さらに理解を深めるためにはNotionの事例が参考になります。Notionは2013年に設立され、当初は多機能な統合ワークスペースを提供しようとしましたが、初期段階で明確な価値提案を確立できず苦戦しました。しかし、ユーザーフィードバックを基にシンプルでカスタマイズ可能な製品へと改善し、PMFを達成しました。さらに、フリーミアムモデル*とユーザーコミュニティの活用でGTM戦略を成功させ、短期間で市場に浸透しました。この事例は、製品改善と適切な戦略がPMFとGTMの両方で重要であることを示しています。
*フリーミアムとは、基本となるサービスや製品を無料で提供し、より便利に使うための機能や上位プランに課金を必要とするビジネスモデル

まとめ

本記事では、SaaS業界におけるPMFとGTMの違いとその重要性について解説しました。PMFは製品が市場に適合していることを示し、GTMは市場浸透を目指す戦略です。転職を考えている方は、これらの概念を理解することで、転職活動の際に自分がどのように企業に貢献できるかをより明確に伝えることができます。さらに、顧客獲得コスト(CAC)や顧客生涯価値(LTV)などのSaaS特有の指標についても理解を深めることで、業界でのキャリアアップを目指しましょう。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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