転職面接で「何か質問はありますか？」と聞かれる逆質問は、応募者の本気度や思考力、企業との相性を判断される重要なシーンです。「何もありません」と答えるのは避けたいところ。この記事では、面接のフェーズごとに評価される逆質問のポイントと、印象に残る質問例を具体的に解説します。
面接で逆質問が重要な理由
企業は単にスキルや経験だけでなく、「一緒に働きたい人物か」を見ています。「逆質問」はそうした評価の場として重要です。準備不足で「特にありません」と答えると、受け身な印象を与えかねません。一方、企業研究に基づく意欲的な質問は、あなたの関心と理解力の高さを際立たせます。
さらに、具体的で的を得た質問を通じて、あなたのビジネス感度や将来への視野の広さも伝わります。中でも「この会社で長く活躍するために知りたいこと」として質問を構築すると、好印象につながります。
フェーズ別：面接官の視点と質問の狙い
面接はたいてい以下の3フェーズで行われます。
・人事（HR）面接：志望動機やカルチャーフィット、働き方や社風との相性を評価。「この人はうちで馴染むか」が問われます
・現場マネージャー面接：実務スキルや即戦力性、チームとの協業に焦点をあてた質疑。「一緒に働けるか」が見られます
・経営層面接（役員や部門長など）：経営への共感や長期的なビジョン適合度、戦略的思考を確認。「中長期で組織に貢献できるか」が評価されます
これらフェーズごとに期待される情報が異なるため、それぞれに応じた「問い」を用意することが大切です。
人事面接で信頼を掴む質問例
人事面接では、「社風」や「評制度」「キャリア支援」など、組織全体に関わる横断的なテーマを聞くのが効果的です。
・御社ではどのような価値観やミッションを大切にしていますか？
・入社後の研修やオンボーディング体制について教えていただけますか？
・中途入社社員が成果を出すまでの支援制度や平均タイムラインはありますか？
こうした質問は、「企業との相性を真剣に見極めようとしている」姿勢を示します。
現場責任者面接で響く実務志向の質問
現場責任者面接では、業務内容やチーム構成への理解、協業への姿勢が重視されます。
・現在のチームが直面している最大の課題は何ですか？
・日々の業務で重視されているKPIや評価指標はありますか？
・これまで中途入社された方でうまく馴染んだ方に共通する特長はありますか？
これらの質問は「具体的な業務内容への関心」と、「入社後の自分の貢献像」を前向きに語る材料になります。
経営層面接で戦略的視座を示す質問
経営層との対話では、企業の方向性や市場戦略への理解、長期的視野への適合性が問われます。
・御社が今後1〜2年で最も注力されるテーマは何でしょうか？
・創業以来の成長の転機や、今後のチャレンジについてどのように見られていますか？
・私のような職種に期待する役割や成果とはどのようなものですか？
また、「御社と競合の違いや業界の変化について、どのようにお考えですか？」といった広い視点での質問は、高い思考力もアピールできます。
まとめ
逆質問は準備だけではなく、「この会社でどう働くか」を想像しながら組み立てることがポイントです。人事 → 現場責任者 → 経営層という流れに沿って質問を用意し、深さや視点の広がりを持たせることで、あなたの本気度や思考ステージの高さが伝わります。
ぜひ、自己分析と企業研究をベースに、筋の良い逆質問を設計して、面接官に「この人と働きたい」と思ってもらいましょう。
合わせて読みたい
「聴き心地が良い話し方」が面接で通用しない理由とは？
