ユニコーン、デカコーン、ヘクトコーンとは?スタートアップ用語を徹底解説

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SaaS業界やスタートアップの世界では、「ユニコーン」「デカコーン」「ヘクトコーン」といった企業を表す用語が広く使われるようになっています。これらの言葉は、企業の評価額に基づく成功を示すものですが、その具体的な意味や背景を正確に理解している人は少ないかもしれません。本記事では、これらの用語の定義、さらには業界動向について詳しく解説します。

ユニコーン企業とは?定義と最新の状況

ユニコーン企業の定義と誕生の背景

「ユニコーン企業」とは、評価額が10億ドル以上(約1,500億円以上)の未上場企業を指します。この言葉は、ベンチャーキャピタリストのエイリーン・リー氏が2013年に造り出したもので、当時は10億ドルを超える企業が非常に稀だったため、神話上の生き物である「ユニコーン」に例えられました。しかし、近年のスタートアップ業界の成長により、ユニコーン企業は急増しています。

ユニコーン企業の主な特徴

ユニコーン企業の特長は、次のように定義されています。

  • 評価額:10億ドル(約1,500億円)以上
  • ・設立期間:通常10年以内
  • ・未上場:株式市場に上場していないこと
  • ・技術革新:主にSaaS、AI、フィンテックなど、テクノロジーを活用した企業が中心

ユニコーン企業は、斬新なビジネスモデルや技術革新を背景に急成長しており、特にデジタルサービスやオンラインプラットフォームを提供する企業が多いです。

ユニコーン企業の最新の状況

2023年時点で、世界には約1,200社のユニコーン企業が存在していると言われています。その中でも、特に米国と中国がリーダー的存在であり、米国には約650社、中国には約170社のユニコーン企業があります。ついでヨーロッパやAPAC地域はスタートアップエコシステムが成長し、ユニコーン企業の数が増加しています。

SaaS業界のユニコーン企業

特にSaaS業界では、リモートワークやデジタル化の進展によって市場が拡大し、多くのユニコーン企業が誕生しています。代表的な企業としては、ビデオ会議プラットフォームのZoomやEコマースプラットフォームのShopifyなどが挙げられます。これらの企業は、グローバル市場での需要に応え続け、圧倒的な成長を遂げています。

デカコーン企業とは?規模の大きさと影響力

デカコーン企業の定義とその存在意義

ユニコーン企業の中でも、さらに評価額が大きい企業は「デカコーン」と呼ばれます。デカコーン企業は、評価額が100億ドル以上(約1兆5,000億円以上)に達している企業を指します。この規模になると、単に成功したスタートアップという枠を超え、グローバル市場における主要なプレーヤーとしての役割を担っています。

デカコーン企業の主な特徴

デカコーン企業は以下の特長を持っています。

  • 評価額:100億ドル(約1兆5,000億円)以上
  • ・グローバルな影響力:テクノロジーやフィンテックを活用して、複数の国で市場をリード
  • ・業界を変革する力:新しいビジネスモデルや技術を導入し、従来の市場を一新する

代表的なデカコーン企業

2023年時点で、約60社のデカコーン企業が存在しています。例えば、以下のような企業です。

  • Stripe:オンライン決済インフラを提供し、評価額約650億ドルに達するフィンテック企業。特にEコマースやサブスクリプション型ビジネスの成長とともに急成長しました。
  • Canva:デザインプラットフォームを提供し、評価額は約400億ドルに達しています。Canvaはユーザーフレンドリーなデザインツールを提供し、世界中のクリエイターやビジネスユーザーから高い評価を受けて急成長しています。

Canvaのような企業は、デジタルサービスやインターネットの普及に伴い、迅速な市場拡大を遂げており、業界に対する影響力も大きくなっています。

ヘクトコーン企業とは?スタートアップ界の頂点

ヘクトコーン企業の定義

さらに上位に位置するのが「ヘクトコーン企業」で、評価額が1,000億ドル(約15兆円)を超える未上場企業を指します。このような企業は極めて少数であり、世界的にも数えるほどしか存在しません。

ヘクトコーン企業の主な特徴

ヘクトコーン企業は次の特長を持っています。

  • 評価額:1,000億ドル(約15兆円)以上
  • 市場リーダー:テクノロジー、メディア、フィンテックなどの業界をリード
  • 圧倒的な影響力:ユーザー数や事業規模において、世界中の市場に強力な影響を与える

ヘクトコーン企業の代表例

2023年現在、ヘクトコーン企業は数社。非常に貴重な存在です。

  • ByteDance:TikTokの爆発的な成長により、広告市場やエンターテインメント業界に革命をもたらしています。
  • SpaceX:元々はデカコーン企業でしたが、宇宙開発ビジネスの成功によりヘクトコーンに昇格。宇宙旅行や商業宇宙開発のリーダーとして注目されています。

ヘクトコーン企業は、テクノロジーやメディアの分野において圧倒的な力を持ち、スタートアップの成功の頂点を示す象徴的な存在です。

ユニコーン、デカコーン、ヘクトコーン企業の成長背景

これらの企業の成長には、主に以下の要因が挙げられます。

テクノロジーの急速な進化

AI、クラウドコンピューティング、フィンテックといった分野での技術革新が、企業の成長を後押ししています。例えば、AIの進化によって、予測分析やパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスの提供が容易になり、従来のビジネスモデルを一変させることができました。

資金調達環境の変化

スタートアップ企業が大規模な資金調達を行えるようになった背景には、ベンチャーキャピタル(VC)やプライベートエクイティ(PE)の成長が大きく影響しています。VC市場の拡大により、成長ポテンシャルの高い企業に多額の資金が供給されるようになり、ユニコーンやデカコーン企業が次々に誕生しています。また、低コストで迅速に市場に参入できる技術の進化が、スタートアップの成長に寄与し、資金調達のスケールアップを可能にしています。

グローバル市場の拡大

インターネットやクラウド技術の発展により、スタートアップは国境を越えてビジネスを展開しやすくなりました。物理的な制約が少なく、サービスを世界中に提供できるSaaS企業は、特に急速に成長しています。このグローバル化が、ユニコーン企業やデカコーン企業の誕生を後押ししています。グローバル市場へのアクセスが容易になることで、スタートアップが世界規模で顧客を獲得し、短期間で成長する基盤が形成されています。

まとめ

この記事では、ユニコーン、デカコーン、ヘクトコーン企業の定義や、それらがスタートアップ業界に与える影響について解説しました。ユニコーン企業は評価額10億ドル以上、デカコーン企業は100億ドル以上、ヘクトコーン企業は1,000億ドル以上の未上場企業を指し、主にテクノロジー分野で急成長しています。特にアメリカや中国では、これらの企業がテクノロジーと市場を牽引している一方で、日本はユニコーン創出の面で遅れを取っている状況です。

しかし、日本でもスタートアップエコシステムの強化に向けた施策が進められており、今後はSaaS、フィンテック、AI分野を中心にユニコーン企業が増加する可能性があります。政府や民間による資金調達環境の整備や、グローバル市場を視野に入れた成長戦略が実現すれば、日本からも多くのユニコーンが誕生することが期待されます。

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青山 俊彦

青山 俊彦カノープス株式会社 代表取締役

SaaSビズサイド(セールスやカスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケ、企画領域)の転職支援が得意な人材エージェントです。採用や転職についてお気軽にご相談を!趣味は釣り。長野県安曇野市出身。

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